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身体のいいなり

身体のいいなり

身体のいいなり 内澤旬子さん

■「むしろ元気に」変身の不思議

38歳のときステージ1の乳がんと診断された。2度の部分切除をへて乳腺全摘出、乳房再建と手術を重ねてきた。

大変な経験だったと思うが、内澤さんはその大変さだけを強調して書かない。いわゆる闘病記を書くつもりはなく、「がん以前と比べてむしろ元気になったいきさつも書いてほしいと言われて体験をまとめてみようという気持ちになった」そうだ。

そう。内澤さんはいますこぶる元気なのである。腰痛、アトピー性皮膚炎、微熱、冷え性、むくみ……、「病気といえない病気」にずっと悩まされてきたのに、手術後に始めたヨガの効果もあって、それらの悩みから解放されていく。アトピーが治ると化粧するようになり、腰痛となぜかO脚まで治ったのでヒールのある靴とスカートのおしゃれも楽しむようになった。

そうした経験とともに、フリーのイラストレーター&ライターとして仕事をしながら手術や治療を受けて感じ、考えたことがつづられている。

内澤さんは結構、無謀な人だ。準備なしにヒマラヤに登ったこともあるし、経験もないのに豚を育てて肉にして食べ、著書(『世界屠畜紀行』)の宣伝になるのならと体調が悪いときにテレビの密着取材を引き受けたりもする。

「意志だけで生きていけると思いこんできた」内澤さんが、病がきっかけで「身体のいいなり」になってどんどん変わっていく。「いいなり」というところに「意志の人」の不承不承感が出ているのがおかしい。いまも「べつの体に脳みそが移植されたような感じがする」そうだ。

「吉野弘の『身も心も』という詩が好きで、タイトルを考えるとき、この詩が念頭にあった」という。心が先走ったり、心だけ身体に置いていかれたり。不思議なバランスでつながる心と身体に思いをめぐらせる本だ。

身体のいいなり 内澤旬子:http://book.asahi.com/author/TKY201101190211.html

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カラーセラピーの先生に教えてもらった本です

私は人の治療記ってほとんど読んでいません
それは治療記録って「その人のもの」だと思っているからです

読んでみると、思ったよりも面白かった~~face02

特に癌に罹患するまでの彼女の持病(アトピーと腰痛)が私と同じだったので、読みながら何度も電車の中で吹き出しそうになってました。彼女と私は同級生というのもあるかもしれないけれど、私が子どもの頃のアトピーってこんなだったわ。とか大人になってから化粧ができないとかシャンプーが合わないで悩んだり、また腰痛持ちで旅行に行くとベットが合わずに床に寝ていたりと色んな部分が似ていました

彼女の体験記を読んでみて色んな場所で「やっぱりがん患者って同じ事を考えるんだな」と思った

がんを告知されてからの彼女の話は、乳がんと子宮ということで違うけれど手術の事もノルバデックス(ホルモン療法の薬)もホットフラッシュも再建手術のことも、がん友さんから聞いた話とそっくり~~と思った

吉祥寺ランチのメンバーは乳がん2人に私ですが、色んな話をします

ある時、ランチを食べている時に、その中の1人が「乳房再建手術が終わった」けれど「ちょっと気になる・・・」といって、私たちは興味があったので「見たい!」と言いました
そしたら、もう1人も手術後の「傷跡が赤くなってて気になる」という事を話してました
私は「お腹の傷あとが大きい」といって、やっぱり気になるよねって言ってた

ランチの後で「綺麗な女子トイレ」を探して、トイレの中でお互いに傷あとを見せ合いました。
再建後の乳房は彼女は気にしていましたが、2人で「全然、大丈夫」と言ってました

まるで女子高生のようなノリだけれど、自分の傷あとを見せる。
それでちょっと気持ちが楽になりました

自分では、とっても悩んでいても案外他人から見れば「大丈夫やん」ってこともあります

でも、そういってくれる人の言葉を受け入れることができる相手もいれば、そうでない相手もいます。どういう相手と話をするかによって自分の気持ちも変わるのかなって思いました

本の中で彼女が、ニット帽をかぶった抗がん剤治療中らしき人に退院の時に「あなたも癌で?」と言われて「あ、はい。乳癌なんです」と素直に答えた自分に驚いていると、その方が彼女の手をふわっと包んで「そう、がんばりましょうね」と言われた時に、今までは誰の言葉も受け入れなれなかったけれど、「がんばりましょう」という言葉でも、素直に受け入れられたと書いていました。
そして、彼女のようになりたいと思ったそうです

わかる~と思った

私は、そういう人たちに入院と一緒に出逢えたから嫌な人に出会っても大きな「患者不信」にならなくてすんだけれど、入院期間が短い人が入院中や退院後に出逢うのって難しいのかもしれないなって思った

実際に「がんばっている人」に「がんばりましょうね」って言われるのって、全然、嫌じゃない
だって、お互い「がんばっている」んだもん

ただ、それが患者でもない普通の人に「がんばって」言われるとあんたには言われたくないってイライラする・・・なんよ、その「上から目線!」って思ってしまうひねくれた私がいる
だって自分は充分「がんばっている」んだもん

今はそれほどでもないけど、最初の頃は本当に嫌いな言葉だった

退院してから、本当の意味で自分のがんを話せる友人って必要なものだと思った
それは「がん種」の区別なくてもわかりあえる人っていると思います

がんになると人から同情されるのは、嫌なくせに大切にはされたいと思っている気がします
考えてみたら「わがままなもんやな」って思います
それに、自分だって元気な時は、知らず知らずに人を傷つけてたような気がするし・・・

傷つける気じゃなくても、結果的にそうなってしまうこともあります
それも今では「お互い様」かな?って思う私です

なってみなきゃわからないことっていっぱいあるんだよね


鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談
ルポライター・イラストレーター・内澤旬子さん VS「がんばらない」の医師 鎌田實
がんサポート:http://www.gsic.jp/support/sp_02/kvs/61/index.html

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    2012年10月28日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(0)読んだ本・・・婦人科がん

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