ステージIでも進行がん!?手術か化学放射線か──食道がん

すもも

2011年05月02日 00:00

ステージIでも進行がん!?
手術か化学放射線か──食道がん
監修 井垣弘康(国立がん研究センター中央病院食道外科外来・病棟医長)

 昨年末、歌手の桑田佳祐さんが食道がんから見事に復帰した姿を目の当たりにしたPさん、56歳。同じ病気で闘病中だけに、自らを重ねずにはいられなかった──。

 食道がんは膵臓がんと並び、早期発見が難しいがんの一つ。自覚症状もないので、早期発見のほとんどは「たまたま」受けた内視鏡検査によるものだ。しかも、食道がんは患者数が少なく医師の診断経験が限られるため、飛び込みの内視鏡検査では見過ごされることもある。内視鏡検査を受ける機会があれば、日本人の食道がんに多い「扁平上皮がん」の検出感度に優れたヨード染色法で検査をしてもらうとよいだろう。

 ちなみに、桑田さんはラジオ番組での本人談によると、毎年きちんと受けていた定期検診で「食道の荒れ」が見つかっていたことに加え、数ヵ月後に「ゲップが出るようになった」ため主治医が早めの検査を勧めたことが発見につながったようだ。

 食道は、のどと胃をつなぐパイプの役割を果たす臓器である。壁の厚みが4ミリメートル程度と薄く、血管やリンパ管が集中しているため、リンパ節転移や遠くの臓器へ転移を起こしやすい。このため、食道がんは他のがんなら早期と見なされるステージIでも「進行がん」に分類される。この段階での治療の選択肢は手術か、抗がん剤と放射線治療を並行して行う化学放射線療法だ。

 つい10年ほど前まで食道がんの手術は首、胸、腹を切り開き、病変と周辺のリンパ節を8時間以上かけて除去する大がかりなものだった。体力の消耗も激しく、施設によっては術後の合併症で死亡する患者が2割にも上った。

 しかし最近は、内視鏡の一種である胸腔鏡や腹腔鏡を使用し、キズや出血を最小限にとどめる手術が一部で行われるようになった。開胸、開腹しないぶん、術後合併症の発生も少なく回復も早い。難点は執刀医の経験と手術チームの技量に治療成績が大きく左右されること。治療施設は慎重に選ぼう。

 もう一つの選択肢である化学放射線療法は、手術に匹敵する治療成績が期待できるほか、食道の機能を保持できることが最大の利点だ。再発しても手術という選択肢が残されていることも大きい。食道がんで治療選択に迫られたときは、両者を比較するためにセカンドオピニオンを積極的に活用しよう。

 さて、食道がんのリスク要因は酒とタバコ。世界保健機関(WHO)によれば、少量の酒でもすぐに赤くなる人は、赤くならない人に比べ12倍も食道がんを発症しやすいので要注意である。

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食道がんは、以前は術後も大変ながんの1つだったと聞いた事があります
ただ、現在はかなり予後もよくなっていっているようです
私が働いていた時にも食道がんの方がいました
抗がん剤治療もされていましたが、術後1年半で職場復帰をされていて
手術しても、かなりのヘビースモーカーでした

私が告知された時、それまで1度も話をした事がなかったのに
家族の事や病院の事、転院した事など、色々な話をしてくれました

その方も言われていましたが、以前は食道がんは見つけにくいがんの1つだったそうです
日本人は胃がんが多く、どうしても胃を重点的に考えてしまうので、実は食道を見逃してしまうそうです
ただ、現在はビデオを利用して見逃しのないようにと注意している病院もあるそうです

そのためには自分自身が『どこがどのように違和感があるか』というのを伝えることだと思います

こちらは食道がんのチェックリストになります:


http://diamond.jp/articles/-/12110?page=2

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