世界で“おひとりさま”が急増中!?
この15年間で80%も増加している「一人暮らし」。
経済発展、情報革命などが、歴史的に例のない単身者の急増を促している。
調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、世界全体の単身者世帯数は1996年の1億5300万世帯から2011年の2億7700万世帯に急増している。この15年間で80%も増えているのだ。
総世帯に占める単身者世帯の割合が世界一高い国はスウェーデンの47%。ノルウェーの40%がそれに続く。両国とも北欧流の手厚い福祉政策が単身生活者を保護している面がある。日本の単身者世帯の割合は約30%で、都市部での割合はさらに高い。単身者世帯が急増している国は、経済成長著しい中国、インド、ブラジルなどの新興国だ。
米国における単身者世帯の割合は27%。女性が約1800万人、男性が1400万人だ。単身生活者の大半が都市で暮らしている。
人類は有史以前から共同生活を営むことを好んできたが、この50年ほどで単身者世帯の増加が始まった。人類史上、例のない壮大な社会実験が行われているといっても過言ではない。ではなぜ一人暮らしが増えているのだろうか?
理由の一つは、経済発展で社会が豊かになったこと。一人で暮らす人が増えたのは、自分で生活できる経済力を持つ人が増えたということでもある。また、個人を尊重する文化が社会の主流になってきたこともあるだろう。情報通信革命が起きたことで、一人暮らしをしていても充実した人間関係を保てるようになったことも要因の一つだ。
「単身の生活」と「孤独な生活」は混同されることが多いが、実はまったく異なるものだ。前述の調査によると、孤独感を決める要因は「人間関係の質」であり「人間関係の量」ではないとのこと。離婚経験者がよく言うように、気の合わない人と同居することほど孤独感を深めるものはないのである。単身生活者は、一人の時間を自分磨きやスキルアップに費やせるので、生活に充実感を覚えている傾向が高い。
また、単身者世帯数が増えると、環境の負担が大きくなると考えがちだが、実はそれほどでもない。単身生活者は都市部のマンションで暮らすことを好み、車が必要な郊外の邸宅で暮らしたりしないからだ。また、中年層の単身生活者は、消費支出が多いだけでなく、市民活動にも熱心であるため、都市の活性化をもたらしている。
単身者世帯は増加しているものの、単身生活者の暮らしぶりについて一般の理解が深まっているとはいえない。もっとも単身者世帯の増加は、始まったばかりの現象だ。この現象が長期的に見て、社会にどのような影響をもたらすのかは、これから追い追いわかってくるだろう。
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