新装版 画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録
新装版 画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録
【著者紹介】
山本作兵衛(やまもと・さくべえ)
明治25年(1892年)福岡県嘉穂郡笠松村鶴三緒(現飯塚市)生まれ。7歳から炭鉱に入り、父の仕事を手伝う。以来50余年、筑豊地方の炭鉱で働き続けてきた。
昭和33年(1958年)、「炭鉱の姿を記録して孫たちに残しておこう」と絵筆を握り、明治・大正・昭和の炭鉱の姿を描き始めた。昭和59年(1984年)、老衰により逝去。今年5月、585点の絵画や6点の日記などが、ユネスコが認定する「世界記憶遺産」に国内から初めて登録された。
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ヨイトマケの唄
【作詞・作曲】丸山明宏
父ちゃんのためなら エンヤコラ
母ちゃんのためなら エンヤコラ
もひとつおまけに エンヤコラ
1.今も聞こえる ヨイトマケの唄
今も聞こえる あの子守唄
工事現場の昼休み
たばこふかして 目を閉じりゃ
聞こえてくるよ あの唄が
働く土方の あの唄が
貧しい土方の あの唄が
2.子供の頃に小学校で
ヨイトマケの子供 きたない子供と
いじめぬかれて はやされて
くやし涙に暮れながら
泣いて帰った道すがら
母ちゃんの働くとこを見た
母ちゃんの働くとこを見た
3.姉さんかぶりで 泥にまみれて
日にやけながら 汗を流して
男に混じって ツナを引き
天に向かって 声をあげて
力の限り 唄ってた
母ちゃんの働くとこを見た
母ちゃんの働くとこを見た
4.なぐさめてもらおう 抱いてもらおうと
息をはずませ 帰ってはきたが
母ちゃんの姿 見たときに
泣いた涙も忘れ果て
帰って行ったよ 学校へ
勉強するよと言いながら
勉強するよと言いながら
5.あれから何年経ったことだろう
高校も出たし大学も出た
今じゃ機械の世の中で
おまけに僕はエンジニア
苦労苦労で死んでった
母ちゃん見てくれ この姿
母ちゃん見てくれ この姿
6.何度か僕もぐれかけたけど
やくざな道は踏まずに済んだ
どんなきれいな唄よりも
どんなきれいな声よりも
僕を励ましなぐさめた
母ちゃんの唄こそ 世界一
母ちゃんの唄こそ 世界一
今も聞こえる ヨイトマケの唄
今も聞こえる あの子守唄
父ちゃんのためなら エンヤコラ
子どものためなら エンヤコラ
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