心のケア――阪神・淡路大震災から東北へ 加藤寛・最相葉月著
内容紹介
「心のケア」とは何だろう? そこで大切なことは?
阪神・淡路大震災以来、16年間にわたり、多くの自然災害や人為災害において心の傷の回復に尽くしてきた精神科医・加藤寛が、ノンフィクションライター・最相葉月に語る。
【目次】
第1章 東日本大震災後五十日の記録
第2章 被災者の心の傷
第3章 阪神・淡路大震災でできたこと、できなかったこと
――復興期の心のケア
第4章 回復への道のり
――肉親を失った二人の経験から
第5章 支援者へのメッセージ
巻末ルポ 1・17から3・11へ――兵庫県心のケアチームの百十一日(最相葉月)
兵庫県心のケアチーム:
http://www.j-hits.org/kokoro/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.11の時、仙台にいた私は不思議な感覚になりました
それは、全てのことが「神戸の出来事」と同じだったからです
といっても、神戸では津波はなかったし、帰宅難民のような出来事はほとんどありませんでした
なのに、とても似ている・・・
それは、私にとって神戸の出来事でもあり、がんから退院してからの生活であったりします
なぜ、自分は生きているんだろう?
多分、一番の疑問はそこだったように感じます
生きている自分に対する疑問。
最近、加藤寛先生と最相葉月著で「セラピスト」という本が出版されました
その本を読むために、その前に書かれたこの本を読む事にしました
この本の中で今のわたしが一番、納得したことが「ボランティアをする人の心のケア」の問題でした
ついつい、悲惨な出来事を見たり聞いたりするとそのことが頭から離れなくなってしまう時があります
それは、ピアサポーター活動にも似ていると思いました
自分の体験に似ている人や同じくらいの年齢の方。
また、何か通じるものを感じてしまった時に、その人の感情が自分と一体化してしまうような気持ちになってしまうことがあります。そんな時に「きちんと忘れること」も大切なんだと思います。
私も自分が退院した時に「なんで私は退院できて、彼女は亡くなったん・・・」と友人に話しました
その時に彼女が「あなたと彼女では、体が違うんやから」と言ってくれました
同じ治療を受けたからといって、同じ結果が待っているとは限らないんだなって思った
といっても、それは何年かが経過してから納得したことで、言われた時には何かモヤモヤとしてものがありました
その時に私は「きちんと悩んでみよう」と思いました
彼女の病状や治療体験を思い出して調べてみることなどで、今とは違う抗がん剤の状況があったりを知りました
がんは当然、亡くなる人がいますが、でも全ての人が亡くなっている訳ではありません
そして抗がん剤の認可や治療が進んでいます
色々な意味で、人ががんで亡くなるのが減っています
でも、その分、生きているから悩んでいる人も増えているということだと思います
神戸のことや東北のことを知る事で、見えてくることがありんじゃないのかな?と思っている私です