センチネルリンパ節生検の様子

すもも

2013年01月27日 00:00

センチネルリンパ節生検の様子が詳しく書かれています
私の時も同じ方法でした


JUMP OVER CANCER「『リンパ浮腫』和らげるには?」

MBSの「JUMP OVER CANCER」。

毎年10月は、ピンクリボン月間と呼ばれ、世界的に「乳がん」の啓発活動をしていることはずいぶん知られてきました。実は、1月は、「子宮頸がん」の世界啓発月間なんです。

今回は、「子宮頸がん」の手術について取り上げますが、術後の深刻な後遺症、「リンパ浮腫」を和らげるための研究についてお伝えします。

オフィスでデスクワークをこなす、阿南里恵(あなみりえ)さん。

8年前、23歳のとき、「子宮頸がん」が見つかり、摘出手術を受けました。
再発もなく元気に暮らしていますが、今も同じ姿勢で長い時間過ごすことができません。

 
「今ここ触ったらわかると思います」

「(太ももを触って)ほんと、ポンと跳ね返されるような感じですね」
「リンパ浮腫」という手術の後遺症が、時々現れるのです。
阿南さんの場合、一つのサインは太ももの湿疹。
疲れが溜まった、と思った時に湿疹が現れ、数日後には足が腫れて40度近い熱が出るといいます。
仕事も休まざるをえません。


(治療中は)元に戻れる、元の生活に戻れるという思い込みが、当時私を支えていたので『リンパ浮腫』が、どういうものなのかというのを社会に戻ってから気づいた」

「リンパ浮腫」は、がん患者が頭を悩ませる後遺症の一つです。

リンパ節という組織が手術で取られることでリンパ液の流れが悪くなり、腕や足がむくんで人によっては歩けないほど大きく腫れあがります。

体には網の目のようにリンパ液が流れていて、溜まった老廃物などを運んでいます。
リンパ節は、骨盤の中や足の付け根やわきにあり、ここで感染を防いだり、がんの広がりを抑える役割を担っています。

進行したがんの場合、リンパ節までがんが達していることも多く、手術で取り除くことが必要です。
ごく初期の場合以外は、再発予防のため取ってしまうことが今も治療の基本です。
しかし・・・


「(手術で)『みえるところは取ったよ』って言われたけど、もし取らなくてよかったのだったなら、もしかしてもう少しましだったのかもしれないし」
取り除くリンパ節の数を、最小限に抑えることができたら・・・


「初期のがんはリンパ節転移の頻度が低いんですよ。10パーセントとか20パーセントの少ない頻度で転移している人たちを、いかに効率よく合併症少なく、みつけるかという」
新しい取り組みが始まっています。


「被爆しないように鉛の筒に入っている…」
放射性物質の入った薬と・・・ 色素法と呼ばれる方法。


「転移ありません!」
「おー、よかった~」
「リンパ浮腫」を何とか防ぎたい、新たな手術に密着です。

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がんの手術を受けた患者に、時として現れる「リンパ浮腫」という後遺症。
一昨年、検診で初期の「子宮頸がん」と診断された、松浦祐子さん(44)。


「リンパ節に本当に転移しているかどうかわからないのに、取ってしまうということに抵抗感がありました」 最初の病院で子宮やリンパ節をすべて取り除き、術後は「リンパ浮腫」などの後遺症も出ると説明を受けました。

がんと診断されたショックもあり、手術をそのまま受ける気持ちでいましたがなんとか落ち着き、まずは自分で様々な情報を集め始めました。

そして、発売されたばかりの「子宮頸がん」治療の基本方針をまとめた本に、研究中の新しい治療の名前を見つけたのです。


「画期的なことだと思う。患者にとっては朗報」

がん転移の可能性が高いリンパ節を探し出して調べ、手術で取り除くリンパ節の数を出来る限り少なくしようという方法でした。
子宮頸部の周りには、たくさんのリンパ節があります。
がんがリンパ節にまで達していると再発や転移を起こしやすく、ほとんどの医療機関では最初から全てを取り除く方法が取られています。

松浦さんが受けた方法はリンパ節のなかでも、がんが最初に流れ着く「センチネルリンパ節」と呼ばれるものをつきとめ、転移の有無を調べて出来る限りリンパ節を残そうというものです。

乳がんの治療では、一般的に行われている方法です。


「そのリンパ節だけを見つけて転移がないことが確認されれば、ほかに転移がないことがほぼ確実にわかる。安心して、ほかのリンパ節を取らなくていい」

永野医師が取り組んでいる手術を知った松浦さんは、この方法で手術を受けました。

今のところ、後遺症はありません。
では実際に、どんな手術なのでしょうか。
今回、手術の様子を撮影させてもらいました。
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患者は去年12月に、「子宮頸がん」と診断された女性です。


「この筒に入っていて、被爆しないようにしている」
手術の前日、まず放射性物質の入った薬を使います。
リンパ節に素早く入りますが、術後まもなく放射性物質は無くなります。


「これを頸部に打つことで、元素がどこに集積するか、リンパの流れがどこにあるか見る」
薬を患者の子宮頸部に、直接注入していきます。
そのまま画像を撮影し、患部に入った放射性物質の流れをチェック。
がんがある部分から、最初に流れる「センチネルリンパ節」を突き止めます。


「濃い部分が注入した部分。左右に2つ写っているのが『センチネルリンパ節』。明日はそこをとって、がん細胞がないか集中的にみる」
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翌日、いよいよ手術です。

今度は色素法と呼ばれる方法でもう一度、「センチネルリンパ節」を確認します。
肉眼では見えないため最初に青い液体を注射し、青く染まった部分を目印に探すのが、この色素法です。


「リンパ、そこに青いのが…」

前日に投与した薬と色素法で使った両方の液体が流れている場所を重ね合わせ、取るべき「センチネルリンパ節」が特定されました。

そして、ガイガーカウンターを使って・・・ 最終確認します。


「7つの『センチネルリンパ節』を迅速に病理検査に出します」
取り出したリンパ節は、すぐに病理検査に回され、がんの転移がないか調べてもらいます。
30分後、検査結果の連絡が入りました。


「転移ありません!」
「よかった。転移なし。よかったです」:)

患者の女性は、子宮と共に必要最低限の数だけリンパ節を切除して、手術は終了しました。
転移が見つかった場合は、さらにリンパ節を取り除く手術が続くことになります。


「昔のリンパ節郭清を思えば、かなり縮小した手術ができている。合併症としては少ないと思う」
後遺症を抑えられる治療は、患者にとって大きなメリットです。

しかしこの方法が可能なのは、比較的早期のがんに限られていて、実施している医療機関も多くはありません。

始まったばかりの研究で、術後の患者の経過や「リンパ浮腫」をどこまで減らせたかなど、さらにデータを集める必要があるからです。

しかし、がんの進行に応じて後遺症を少なくしていこうという治療法は、これから大きな注目を集めることは間違いありません。

http://www.mbs.jp/voice/special/201301/15_post-181.shtml

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