女性のがん心のケア―乳がん・子宮がん・卵巣がん・大腸がん

すもも

2012年09月23日 00:00



女性のがん心のケア―乳がん・子宮がん・卵巣がん・大腸がん (名医の診察室)

がん患者さんの「心の悩みや痛み」は、抗がん剤の副作用よりもつらい…日本にはまだ数十名しかいない、精神腫瘍学の第一人者が、わかりやすく教えてくれる、がん患者の「心の治療」の最前線。

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■ 2010年05月10日: 「遺族の痛みに寄り添う」インタビュー記事が朝日新聞夕刊に掲載されました。

朝日新聞夕刊 2010.05.10

原文:
 がんで家族を亡くす。そのつらさに寄り添う「遺族外来」が、埼玉医科大学国際医療センターにある。担当医の大西秀樹教授は「こうしたら?」といった助言はしない。遺族自身が悲しみを語ることを通じ、回復の手がかりをつかむのを待つ。(磯村健太郎)

 --遺族外来は全国でも珍しい試みです。健康保険が適用される「精神腫瘍(しゅよう)科」という分野なのですね。
 私は、もともとは精神科医です。精神腫瘍科とは、がん患者の精神的なつらさを治療するところで、ここでは家族も診ます。家族は「第2の患者」と呼ばれます。不安や孤独感にさいなまれ、「どうしていいかわからない」という方がいる。
 さらに、ご遺族になったあとも親類に「なぜ早く、がんと気づかなかったの」と言われたり、葬儀のストレスが加わったり・・・・・・。患者さん本人が亡くなったからといって、ご家族の診療は終わり、とはいかない。そのために遺族外来があるのです。うつ病の方も多く、初診時で約4割を占めます。
 --どんなようすですか?
 例えば同世代の夫婦を見て、ねたんでしまう。そんな自分がいやで落ち込む方がいる。あるいは「記念日反応」といって、がん告知の日や命日などに気分が沈んでいくことがあるんですよ。桜が咲いているのを見て、「ああ、この季節に化学療法が始まったな」などと思い出す人もいます。
 よく「持っていかれた」とおっしゃる。なすすべもなかったという無力感。「もっと何かできなかっただろうか」という後悔。でも百%のケアなんてあり得ません。みなさん、実際は十分すぎるほど気づかいされていますよ。
 --心がけていることは?
 (倒れてきそうな人の肩に片手を当てるしぐさをしながら)そっと支える、という感じでしょうか。大事なのは、私の考えを押し付けないこと。何でも話してもらえる雰囲気づくりに努めます。そうするうちに、だんだんと深い話になっていきます。何年もたって「実は・・・・・・」と、だれにも言えなかったことを口にする方もいる。
 60代の女性が夫を亡くし、通院していました。あるとき自宅で(4人組のボーカルグループ)イル・ディーボの静かな音楽を聴いていた。そのとき、ふと宇宙の広がりを感じ、「どこかに、夫はいる」という感覚を持ったとおっしゃるんです。これを「意味の再構成」といいます。故人との新たな関係性をその人なりに組み立てていくことです。「いないけど、いる」と表現した人もいます。そのような「つながる感覚」がでてくるといいんです。
 --大切な人を亡くした人が身近にいたら、どう接すればいいのでしょう。
 例えば、つい「大往生だったじゃないの」と言ってしまいそうですが、これはいけません。どんなに高齢であっても、ご遺族はつらいんです。むしろ、さりげない行動がうれしかったとおっしゃる。お弁当を持ってきてくれたとか、何も言わずにそばにいてくれたとか。安心感につながるようです。そうしたことを、社会的に広く知ってもらいたいと思っています。

大西秀樹先生のウェブサイト:http://www.e-oishasan.net/site/onishi/

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去年読んだ『がん患者の心を救う―精神腫瘍医の現場から』という本の中で
サイコオンコロジー(精神腫瘍学)という聞きなれない言葉を知りました

がん患者の心を救うは、全般的ながんについてでしたが今回は「女性のがん」という
性に関わるがんについて書かれたものでした

このブログでも何度も何度も書いていますが、性に関わるがんは男性性・女性性の区別なく
患者にとって大きな悩みの元になる気がします

そしてそれをきっかけに「うつ状態」になる患者さんの数は半数以上と言われています
それなのに、まだ精神腫瘍科医という先生がいる病院は、あまりありません

こんなにがん患者がいて、男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんで死亡すると言っている時代にです

まだまだ現場は追いついていないんだなって思いました
これからは、患者が患者をサポートする時代になると思います(ピアサポーター)
患者さんが、気軽に精神腫瘍科医にかかれる時代がくるのは、少しかかりそうです

私がこの先生の言葉の中でいいなと思ったのが、がんの悩みについてです

がん患者の悩みは、1人称の悩み
がん患者の家族の悩みは、2人称の悩み
そして、医師や友人は3人称の悩み。と書かれていました

詳しいことはこちらに書いています:http://miyabimari.tamaliver.jp/e201109.html

1年前の私の言葉だけれど「ああ、あの時こう考えていたんだな」と思いました

矛盾があるかもしれないけれど、1年前の私も、今の私も、やっぱり私です
よかったら、読んでみてください

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