がんと恋愛 1

すもも

2011年10月26日 00:00



『がん患者と恋愛』って、先輩患者さんに聞いてみると不思議なくらいに別れている人がいます
こういうと厳しいけれど『末期がんです』と言われたほうが、その限られた期間を一生懸命、一緒に過ごそうと思えるからいいのかもって思うこともある
確かに「個人差」もあるだろうけど・・・
でも、期間が決まっているのってその間は相手のためだけに頑張ればいいけど、その期間が決まっていないと「一体、いつまで?」って実は苦痛になっていくんじゃないのかな?って思ったりもする
「再発するかもしれない」とか「相手が自分よりも先に死んでしまうかもしれない」とか思うかもしれないし。あと「女の人は支えてあげたい」っていう人が多いけど、男って何気に逃げてるよね~~とも。
なんとなく、それもそうな気がする

子宮頸がんや乳がんの人はホルモンの関係で、膣が乾いていて性交渉ができなくなるってのもあります
子宮頸がんは、卵巣を取ってしまうと「卵巣欠落症」っていって女性ホルモンがでなくなってしまうし
また、子宮がなくなってしまうので膣までの距離が短くなります。なので性交渉の時に、痛みを伴ったりします
そして、乳がんの人は「ホルモン療法」で女性ホルモンを抑えるから更年期と同じ症状が出てきたりするし
性にかかわるがんって、やっぱり複雑だなって思う
子宮がないから、乳房がないからだけではない悩みが沢山あるんだと思う
以前、ある女優さんが子宮頸がんになった時に旦那さんに「女じゃなくなった」みたいな発言をされて、とても傷ついたと言われていたけれど、ほんとそんな馬鹿な発言をする人がいるんだなって思ったけれど確かに、女性じゃなくなったとは思わなくても、今まで出来ていたことができなくなるということの辛さっていうのはある
乳がんの友達と「自転車に乗ると痛い」って話をしていて、どうしても膣が乾いているから擦れて痛いのよって言っていた
私の場合は、お腹が痛いのが強くて膣が痛いってのはいまいちわからなかったけれど、確かに今まで感じたことがないような痛みはあるなって思った
変な話、下着が擦れたせいなのか、やたらと被れたりするとかっていうのはあるし・・・

女には女の悩みがあるんよって思う
若い患者さんにとって、生理がなくなることって、やっぱりつらい
若年性と言われる30代の患者さんにとって、がんを告知されて手術をして、それから何年間かホルモン療法してしまうと子どもを作れなくなるかもしれないということもあります
その時に、未婚だったらどうなるんだろう?って・・・
子どもが欲しいと思うような年齢で、がんに罹患してしまうと命か子どもか。という選択をしなくてはいけなくなります
また、子どもは生んでいるけど更年期にはまだ早いという患者さんだと、2年のホルモン療法が終わってからも継続して女性ホルモンを抑制していくようになったりします
かといって、私のように卵巣を残してもらった患者は、次は乳がんのリスクを考えなくてはいけません
う~~ん、ほんまに。。。って感じです

そういう時に「恋愛」するのって、ちょっと不安になります
「自分でいいのかな?」とか「それなら子どもがちゃんと生める人のほうがいいんと違うやろか?」とか
人生の価値観って何やろなって思う

ただ、最近思ったのは「どんな時でもきちんと話をしてくれる人」がいいなって思います
嫌な事であっても、いい事であっても。
たとえ取るに足らないような話でも「今日はこんな事があったよ」って話してくれる人がいいな

そんな人がいたら、もう1回恋愛してみよっかなって思います

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