少しだけ。。。

すもも

2011年04月26日 00:00

田中好子さんの告別式が行われました
遺影の美しさに、なんて早い死だったんだろう・・・って思い
生前に吹き込まれていた肉声を聞いて、涙がでました

「私も一生懸命病気と闘ってきましたが、もしかすると負けてしまうかもしれません。
でもその時は必ず天国で、被災された方のお役に立ちたいと思います。
それが私の務めだと思っています」
そして「幸せな、幸せな人生でした」「もっともっと女優を続けたかった」と言われていました

本当にそう思います

ただ、報道を見ていて思ったのは、きちんとした病気の経過が公表されていないのもあって
どのように治療していったのかはわかりません
でも、マスコミの報道を見ていると「19年間の闘病生活」と言われていました
これだけを聞くと、ずっと手術なり抗がん剤なり放射線治療なりを続けていたような感じもしますが
これはなんだか、がんの怖さを煽っているように感じました

がんは確かに難しい病気です
そして、ほとんどのがんは完治や終わりというのはありません
手術をして追加の放射線治療や抗がん剤治療やホルモン療法が終わっても
年に何回かの検査を行っていって経過観察を続けていきます
私は、がんが本当に治ったっていえるのは、亡くなる時にがんだったかどうか?なんだと思います

だからこそ、簡単に「がんを克服」とか「がんが完治」というのは難しいと思います
私が入院している時に21年目の再発。という患者さんがいました
その方は、最初にがんが見つかったときに手術と抗がん剤治療を受けていました
その後、21年間ずっと経過観察を続けていて、再発・転移したんです
つまり、ある種のがんは再発する可能性があるという事です
でも再発するまでの21年間は、手術や抗がん剤といった治療はしていないので
一般的に考える闘病生活というのはなかったという事です
もちろん、経過観察の検査はしています

私と一緒に入院していた人で再発した人は、3ヶ月後の再発の人もいれば、8年目での再発。
そして、21年目の再発の方がいました。みんな違っていました
中には何度も再発を繰り返し抗がん剤治療を受けている方もいらっしゃいました
患者さんはみんな違います

ほとんどの患者さんも家族も手術が終わると「がんが治った」と思います
でも、病巣を取ったから完治というのは、良性腫瘍の話です
そんなに簡単なものではないから、がんは難しいと思います

原発事故があってから、放射線でがんになる!と過剰に反応している人を見ます
洗濯物すら外に干せないとか・・・

今、一番必要なのは、正しい知識を持つこと
それは、原発事故も地震もがんも同じように感じました
必要以上に恐れる事はないと思います

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