たまりば

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母の電話

年末に久しぶりに母親と話をした時に「帰っておいで」と言ってくれました

子供の時から、不思議と母親に懐かなかったから今でも少し距離を置いてしまう自分がいます
そんな母親に「大変だろうから帰っておいで」って言われるとは思っていなかったから
ちょっと嬉しかったです

でも、今週電話をしたら「帰ってきても仕事もないし、病院の事もあるから生活保護を受けても
そっちにいたほうがいい」と言われました

実家に帰っても上手くはいかないだろうなって思ってはいたけど
心の中では家に帰ったら・・・って何度も何度も考えていた

そして、きっと親も同じなんだろうなって思った
何度も何度も「娘が、帰ってきたら」って考えて、やっぱりダメだろうなって思ったのかなって

不思議なもので「きっと上手くはいかないだろうな」って思うけど
「帰ってこなくていいよ」って言われるのは、どこかでつらいな・・・って思っている自分がいる
いつも私が近づいていこうとすると、そうやって突き放される
もう慣れたことだけど、やっぱりどこかでつらくなる自分がいる

結婚している人がうらやましいな。なんて思う事がある
病院に入院していると、不思議と「OOさんの旦那さん」ってセットで覚えている
おじいちゃんがおばあちゃんの車椅子を押して、廊下を歩いているとうらやましいなって思った
あんな年齢になっても、仲良く一緒にいられるのって幸せなんだろうなって
毎日のように孫や子供が入れ替わりお見舞いにくる人。
色々な人がいた
私には家庭もなければ、旦那さんもいない。もちろん、もう子供もできないし・・・

母親に「もう私は孫を抱くこともできないんだし」と言われた
「そうだよね、私にはもう無理だしね」って言った
当たり前の事だし、気を使ってくれとも言えないけど・・・
それに、がんにならなくても結婚したかどうかはわからないんだから、子供を産んだかわからない
でもな・・・それなら、1人で生きていけるような仕事をしろ。とか
学歴の高い人と結婚してもつりあわないから。とか言わないで「女の子は結婚して子供を産むのが幸せ」って教えてくれればよかったのに、なんで結婚したいっていうと片っ端から反対してたの?って言いたい自分がいた

電話を切る時に、何度も何度も「前向きに生きなさい」と言われた
いつもいつも。
がんって言われてから、聞きたくもないのに何度も何度もそう言われた
どんなに明るい話題をしていても、最後には否定されているように聞こえる

あなたには、私はそんなに「後ろを向いて生きているように見えるんですか?」
そして、親なら「前向きに生きるって何か教えてくれればいいのに」

この病気になって思うのは「人の言葉に傷つかない心が欲しい」という事です
人は、たとえそれが親であっても私が望む言葉はかけてくれない
それなら、そんな言葉で振り回されないような人になりたい

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    2011年02月25日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(2)がんと家族

    この記事へのコメント
    親御さんを、自分のよき理解者だって思えないって辛いでしょうね

    私の親とうちの親は違うって言われたらおしまいなんだけど…

    去年から、なんでそんなこと言うのかな~って思ったときは、後からでも「どうしてああ言ったの?」ってきくことがあります(主に父)

    命には限りがあるとわかり、親と向き合えるのも生きているうちだと思ったんです

    「あ…う…まあまあ」って逃げられることもあるし、電話で言い合いになったこともあるし、父が母に「○○につめられる」ってこぼしたこともありました(笑)

    でも、ちゃんと説明するとか娘と向き合うことが、彼にとっても人生の学びかな、なんてえらそうに思ってます



    わたしの職場の先輩に、自分を守るため鎧をガチガチにまとっている人がいます

    ちょっとでもその人に誰かが(たとえ上司でも)意見をしようものなら大変です

    だから、周りはその人に気を遣いまくりです(^^ゞ

    傷つかない人なんているのかな~

    むしろちょっと傷つくぐらいの方が人間としてかわいいような(笑)

    傷つき方とか傷の対処には、いろんなやり方があるでしょうね
    Posted by ひすい at 2011年03月01日 20:08
    ひすいさん、コメントありがとうございます

    >親御さんを、自分のよき理解者だって思えないって辛いでしょうね

    病院に入院した時にも患者会の人と家族や配偶者の話をした事があります
    私が話したほとんどの方が「けんかしたよ~~」と言われていました
    「でも、それもいいんじゃないかな。どうしてもわかりあえない部分があるとは思うよ。だって、私たちは患者で、向こうは親だもん」って教えてくれました
    私の友人で、唯一「親がすごく自分を理解してくれた」と言った人がいましたが、その方の親御さんは自分もがんで入院されていました
    どこまで理解してくれて、どこまで理解してくれていないかは私にもわかりません
    私自身も自分の病気を受け入れていっている最中だし・・・
    「がんと家族」は私個人のものですが、これを読んで「うちもよ」や「うちの親は違う」って考えてもらえばいいと思います
    全ての患者や家族が相手を思いやれるなんてことはないと思うけど、こういう家族もいるんだって思ってもらえればいいです

    私自身は、ひすいさんが言われるような「つらい」というよりはむしろ戸惑いのほうが多いですね
    まあ、うちの親は私の話なんて聞いてないし自分が言ったことも覚えてなから仕方がないんですが・・・

    ひすいさんの職場の先輩の事はわかりませんが、色んな人がいていいと思いますよ
    その人にとって身を守る方法は違うような気がします
    自分にとってたいしたことではなくても、その人にとっては耐えられないこともあるし・・・
    と私はこの病気になってそう思いました
    Posted by すももすもも at 2011年03月03日 00:50
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