たまりば

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障害って何?普通って何?

私にとって「障害を持っている人」というので一番最初に覚えているのは、
小学5・6年の担任の先生です

5年生になった最初の学級会で先生が「私は右耳が聞こえません。みなさん左耳に話しかけてください」と言われました。今の年齢の私ならどんな事を考えるんだろう?と思った。先生の言葉には「して欲しいことだけ」が話されています。それ以上何かをしてくれと言っている訳でもないし、気を使ってくれといっているのでもない。

ただ「左耳に話しかけてください」ということだけでした

これって、今考えるととてもシンプルでわかりやすい言葉だったなって思います
それからの私たちは、休み時間になると、みんなが当たり前の事として先生の左側で話しかけていました
でも、それ以外は全て他の先生と同じようにしていました。

障害がある人とどう接していくか。悩む必要などはないのだと思った

ただ、相手が望むことだけをしてあげればいいということだと思いました

障害がある人と普通に接してあげて欲しい。という考えもあります。でも先生のように「右耳が聞こえない」という障害がある人に右耳側に座ってどんなに大きな声で話しかけても聞こえません。それは、やはり相手を思いやってあげることが必要なのだと思います。手術をした後でほんの少し歩く速度を遅くして欲しいとか色々ありました。入院中にも色んな人が来てくれたけれどその時に感じたのは「必要なことだけでいい」という事でした。

先日、介護資格を勉強中の友人が話してくれたのは先輩の介護士さんから「どんなに家が散らかっていても相手が片付けて欲しいと言わなければ、やる必要はないということ。それは、私たちには散らかっているように思えてもその人には何があるかわかっている場合もあるから、例え親切でやってあげたとしても相手にとっては迷惑なこともあるんだと教えてもらったの」ということでした。

明らかに障害があるからといって、その人が全てをやってもらいたいと思っているとは限らない。
でも、障害がある部分だけをカバーして欲しいという気持ちはあると思います。

以前にも書きましたが、目が見えなくて盲導犬を連れている人と調剤薬局で一緒になった時にその人が隣の人と話しているのをみて私が「盲導犬は外にいる時はお仕事中だから話しかけてはいけません。とか触ってはいけないっていうけれど・・・」と聞いて見ると「そんなこと言われたら私は外に出ても誰とも話せないじゃない」と言われました。犬だってこうやっている時は触ってあげてもいいのよ。って言われた。盲導犬は人が好きな犬だから喜んでいるのよって。

その考え方は彼女だけかもしれません。

その後、盲導犬の訓練に関わっていた人にも「話しかけたり触っちゃいけないのよ」と言われたし。
でも、考えたら盲導犬の犬って「人が好き」な犬が選ばれているはずなのになって思った。
人のために働いてくれる犬ってことは人がとっても好きだからなんだと思う
それなのに飼い主さん以外には、相手にしてもらえないって寂しくないかな?って思った
他の犬たちは、お散歩の途中で「大好きなおばあちゃん」とか「大好きな子ども」や「仲間」がいたりするのに・・・って思った。そしたら、仕事を休んでいる間なら盲導犬にも人間にも話しかけてもいいのよって言っていた彼女の言葉のほうが真実味を感じました。

がん治療のあとでは、ほとんどの人が「何かをなくして」います。
それが体の一部である場合もあるし、心の問題だったりもします

抗がん剤治療のあとなどでは、手の痺れや体調不良など目に見えない障害も沢山あります

がん患者の人が治療後に悩む大きな問題として『普通って何?』というのがあります
今までの自分じゃない自分のココロと体。もう私って「普通じゃないの?」・・・

でも、それなら『普通って何?』『障害って何?』って思う

先生のように右耳が聞こえないのは障害です。でも、他は日常生活に支障があったとは思えなかったです

障害があるからないからというくくりではなく、障害も「個性」なのだと思えばいい。と言われたことがあります。

でも、子どもの世界の中にも大人の世界の中にもある「いじめ」という現実。

それって実は相手と自分が違う人間であるということを認めていないことから起きているように思います
「自分はこう思っている。でも、あの子は違う」その自他の区別がついていないのかな?って思った

障害であっても、それも個性。それなら、何も相手を「差別」する必要はないのだと思う
自分と他人は違うことを知っている、それは「差別」ではなく「区別」なのだと思います

私自身は、いじめの元は相手を認めないという「差別する心」なのだと思います
相手と自分が相容れないと思えば、ただ離れていけばいいと単純に考えればいいのだと思う

そして絶対に自分を見ていてくれる人はいる。私はそう思っています。

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    2013年09月02日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(0)がんとこころ

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