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終末期医療とリビング・ウィル

安らかな最後を迎えるために 終末期医療とリビング・ウィル 大野竜三著


■目次
第1章 リビング・ウィルとはなにか
第2章 現代医療と延命治療
第3章 健康で尊厳ある老後生活をおくるために
第4章 延命治療とはどういうことか
第5章 日本の医療と延命治療の実態
第6章 人生の終末期と延命治療
第7章 リビング・ウィルは日本で受け入れられるか
第8章 延命治療の中止と意思表明書
第9章 死にゆく人たちと共にいて
あとがき

この本は、リビング・ウィルについて書かれたものですが
正直、私は自分が「がん患者」になるまで、リビング・ウィルというものがあるとは
知ってはいましたが、深く考えた事はありませんでした

そして、この言葉の意味が持つ重要性も・・・

よく言われている尊厳死や安楽死とどう違うのかもあいまいでした

でも、自分の命の期限を考える事になってこの本に出会った時に
「やっぱり読まなくてはいけないのかも知れないな」って思いました
ただ、読み終えるのにすごく時間がかかってしまいました
とても読みやすく書いてあるのに、自分の患者の部分が邪魔をして読めない

どこかで「これを読んだら、自分の命の期限がきてしまうんじゃないのかな」って思ったり。。。

でも、今は読んでよかったと思います

これは別に、がんだからとかいうものではなく人がどう死にたいかというものなので
今は元気であっても必要なものだと考えておけばいいんだって思いました

本の中で大野先生は『リビング・ウィルとはまだ判断能力が十分ある時に、ある状況になった場合に自分がして欲しい医療、あるいはして欲しくない医療につき述べておく書類の事です。・・・・・私自身は「終末期医療についての意思表示」という訳語が適当かと思っていますが、このままリビング・ウィルという日本語が定着していくのではないかと予想しています』と書かれています

そして遺言状との違いは、遺言状は死後に始めて効力が発生するものですが、リビング・ウィルは生きている間に効力があるものです。脳死になる前から効力を持っています。

ここに「延命治療について」の調査報告があります


自分自身は延命治療は望まないという人が多いのに、家族の延命治療はして欲しいという結果になっています
不思議なものだなって思います
自分が望まないものなのに、家族にはやってもらいたい。。。

これは、前に読んだ「親ががんとわかったら」と同じだなって思いました
自分が望んでいるものと家族が望んでいるものが微妙に違う

では、リビング・ウィルについてはどうでしょうか?

こちらは、リビング・ウィルについての調査報告です


これで見ると、リビング・ウィルに賛成している人が半数以上になっています
でも、これも立場が変わればどうなるんでしょうか?
これが、自分の親なら?そして、子供だったら?
果たして本当に、この数字でしょうか?

リビング・ウィルを受け入れてくれる医師は果たしてどれくらいいるんでしょうか?
そして、本当に自分が望む死を迎える事ができるんでしょうか?

人は元気な時はなかなか「死」について話をする事がありません
「そんな不吉な事は言わないで」って言われる
そして、本当に死ぬかもしれない病気になってしまったら、ますます「そんな事は言わないで」という
では、一体、いつこういう話をすればいいんでしょうか?

家族もそうですが、ホームドクターがいる場合は、ホームドクターとも話し合う場が必要なのかもしれません

私は、自分で考えたリビング・ウィルを書いて持っておこうと思います
それは、別に不吉な事ではないと思うし
よりよく生きていくために。そして、よりよく死を迎えるために。

本の「いつかは訪れる死の迎え方」の中で、
良寛和尚の「死ぬ時節には死ぬがよかろう」と書かれています。私もそう思います。

そして、例文のリビング・ウィルの中で
「私はこれまでの人生を、私なりに一生懸命生きてきました。
ここに、私の人生が終わるとしても、決して悔いはありません。」と書かれています


よかったら1度読んでみてください

本の最後にリビング・ウィルの例文の資料がついています

がん患者団体支援機構:http://www.canps.net/syoseki.html  
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  • 2010年11月07日 Posted by すもも at 00:00Comments(0)終末期医療とリビング・ウィル