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もし、自分の配偶者ががんになってしまったら

もし、自分の配偶者ががんになってしまったら――。NHKの朝の情報番組「あさイチ」(1月28日放送)で、がん患者の夫を持つ妻の悩みが紹介された。

夫ががんになると、生活の変化や治療費の問題など大変なことは多々あるが、周囲の何気ない言動によって苦しむこともあるという。番組には40~50代のがん患者の妻3人が登場。夫ががんになってからの「人付き合いのストレス」について語った。

「なんで息子だけ、がんにならなきゃいけないの?」

40代の女性は、夫が入院すると、夫の友人たちが次々と見舞いにやってきた。次第に見舞いが夫の負担になってきたので「面会謝絶」にしたが、それでも「俺は一番仲がいい親友だから。俺だけは大丈夫」と言って勝手に病室に入り込む「友人」に悩まされたという。

治療法の押し付けも対応が困る。がんが治った人から治療法を紹介されても、実行するのが現実的に難しいこともある。しかし、それをやらないと「嫁が悪い」「嫁が見殺しにした」と思われてしまう。

夫ががん治療中の50代の女性は、親戚の法事に一人で参加したところ、夫の病状について質問攻めにあった。そこで気持ちを抑えて気丈に振る舞うと、「あなた何で明るく笑って喋れるの?」と言われて閉口したという。

姑の言葉も強烈だ。13年前に夫をがんで亡くした50代の女性は、姑に言われた言葉を今でも覚えている。

「あなたたちと同じものを食べているのに、なんで息子だけがんにならなきゃいけないの?」

何気なく言われた言葉だったが、自分が「すごく悪いことをしてしまったのではないか」と感じてしまった。

妻としては夫の家族に言われたことは印象に残るようで、番組に寄せられた視聴者メッセージの中にも、夫の妹に

「こんな病院じゃ治るわけないじゃない。私の家族だったら日本一の病院に入れるわ」

と言われたという話があった。「傷口に塩を塗られたようでした。一生彼女を恨んでいきます」とかなり根が深い。

家族は「第2の患者」。ストレスで体調崩すことも 埼玉医科大学国際医療センターの大西秀樹教授(精神腫瘍学)は「こういう悩みは非常に多い」と語る。周囲からのストレスによって不眠や食欲不振など心身に不調が出ることがあり、家族が「第2の患者」といわれる所以になっている。それを見ている患者本人も辛いので、家族をケアすることが必要だとする。

とはいえ、周囲も決して悪意があるわけではなさそうだ。大西教授によると、周囲も患者の家族を援助したいと思っている。しかし「どう援助していいか分からないので、結果、不適切な行動や言葉が出てきてしまう」という。

では、具体的にどうすればいいのか。大西教授は「有害な援助」として、「安易なアドバイス」のほか、「大変な人はほかにもいる」「私はあなたの気持ちが分かる」といった言葉をあげる。相手の事情や気持ちを深く考えない言動はダメ、ということなのだろう。

一方の「有用な援助」には、「思いを吐き出してもらう」「誠実な関心を示す」「そばにいる」の3つがあげられていた。患者の家族にアクションを起こすというよりも、寄り添う気持ちが大事なようだ。スタジオでは子宮頸がんを経験した女優の原千晶さん(40)が、

「自分も患者だったときに、有用な援助に沿った対応をしてもらって嬉しかった。吐き出すのは凄く大事」

と話していた。番組によると、日本人男性が生涯がんになる確率は60%。夫をがんで亡くした妻がそれだけ多いことになる。自分や家族ががんにならなくても、がん患者家族への接し方は覚えておいた方がいいだろう。


http://yukan-news.ameba.jp/20150129-11/



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    2015年02月01日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(0)がんと家族

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