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患者の時間

『5年後の自分』って考えられますか?

がんになってから、何年後の自分っていうのが考えられなくなっているって思った
今日、明日、来週、1ヶ月後なら考えられるけど・・・大きな時間では考えられなくなってる

ある家族の方に話を聞いた時に、自分は来年はこうしよう、ああしようって言うと妻はそんな先の事は
考えられないと言った。自分は、もっと生きていて欲しいから来年や先の話をするのに、考えてくれない。
そして、奥さんは末期がんで8ヶ月後に亡くなってしまったそうです

患者にとって1日は今までの倍や3倍くらいなんじゃないかなって思う
そして、この日、この時が大切だからって思っている
でも、家族は違う。1年は1年でしかない・・・
だから時間の流れが違うんだと思う。それは、どうしても埋めれないものかもしれないなって思う

だったら、そばにいる人は何をしてあげればいいか?

『今日は、何をしたい?』って聞いてあげて欲しいと思います
あしたでもなく今度でもなく、来年でもなくって、今日何がしたい?でいいと思います
それが『美味しいもの食べたい』でも『散歩したい』でも『映画が見たい』でも、なんでもいい

相手が今日、この時間を大切にしてくれているってわかるようにってしてあげて欲しいと思います

そしてその為に話をして欲しいって思います
どんなつまらない事でもいいから『今日、こんな事あったよ』と話をして欲しいって思います

何も言わないでいられる事って一番つらいと思います

今まではそうだったから。と思うかもしれない。
でも、患者はもう今までとは同じじゃないんだと思って欲しい
同じ日常を送っていても、きっと同じではないんだと思う

そして先の事は、考えるのがとても不安なものでもあります
もし、自分が再発していたら、もうこんな風にできなかったら
そして、自分が生きていなかったら・・・
だからこそ『今日』が大切なんだって思ってしまう

家族の人の『前向きに生きて欲しい』というのを聞きます。そして『がんばって欲しい』。
でも、前向きってなんだろうって思う
来年のことや3年後、5年後を考えてくれたら前向きなんだろうか?と思う
それって、あなた自身が生きていると思えるの?事故にあったりしないの?と思う
たとえ1日であってもいいと思う。一生懸命生きてこう。って思っているなら、それはとても前向き
なんだと思う。ただ、それは周りの人に理解してもらえないだけだと思う
そして、自分が考えてる『前向き』を患者に押し付けてない?って思う

『がんばって欲しい』というのも同じだと思う。
こんな時代に頑張ってない人なんていないはず。それは病気の人間だけじゃない。
普通に生きてる人だって同じだと思う。そして、がん患者を支えている家族も同じだと思う。
『頑張って』じゃなくって、本当は『がんばろうね』だと思う。

そしたらきっと『5年後の自分』が見えてくる気がします

患者の時間


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    2010年09月14日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(0)がんと家族

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