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がんと家族

がんになったら、家族が守ってくれるって思ってますか?

患者さんに聞くと、結構『そうでもないよ』といわれます

先日、がん友さんと食事に行きました
その時に、『家族の中で、がん患者がでたら親戚に言うかどうか』という話になりました
夫婦でも家族の反応が色々で家族には言っても親戚には言ったり、言わなかったり・・・
色んな人に言われて困ったなんて話もあったりしました

ちなみにうちの家では『父・母・弟』しか知らないです
というか、表向きはそういう事になっています。私の話は誰もしないからです。

がんって、そんなに悪い病気なのかなって思う
自分の兄弟にすら言えない病気なんだって・・・思った


でも、自分の意思で家族には知らせないで手術をするという人もいます

ある患者さんと話をした時に『家族が、がんになると家庭がうまくいかなくなるのって4割だって』
イメージとして『家族が病気になったら団結した』とかいいイメージを持つ人もいるけど
そんなに甘くはないんだ・・・って思った

先日、入院棟に行った時に、仲のよかったおばあちゃんが亡くなった話を聞きました。
いつも『うちのお嫁さんはいい人だから』と言ってました。
でも、お嫁さんは1度もお見舞いに来なかったです。
やっと、ご飯が食べれるようになって退院したら、お嫁さんは末期がんの姑の面倒は見たくないと
離婚して家を出て行ってたそうです。
そして、退院してしばらくしてから、おばあちゃんは亡くなってしまいました。優しい人でした。
『優しい嘘』だったなって思った。
『いいお嫁さんよ』って・・・一度も誰かを責めたりしない人でした。そして、よく一緒に笑いました

入院すると色んな患者さんがいます。孫が入れ替わりやってくるおばあちゃんに、誰も来ない人。
来ても忙しいからと逃げるように帰っていく人。

理想はあると思う。でも、現実は違うと思った。

だからこそ、地域の中で患者をサポートしていかなきゃいけないのかもしれないって思います
がんになって手術しても、退院したら一人暮らしで頑張ってる人が沢山います。私自身そうです。

病院の中では患者は守られています。でも、家に帰りたいとやっと帰った地域で患者を支えていかない
といけないっておもいます。みんな退院しても今までと同じように生活して行きたいんです。
ほとんどの人が退院後1年もすれば自分の病気や体を受け入れて生活できるようになります。
でも、それができない間だけでもいいから誰かにサポートして欲しいだけなんです。


そして高額な医療費の問題もあります

先日も胆のうがんのお母さんが入院費の請求書を見て驚いて、末期がんなのに無理やり退院したという
話を聞きました。母子家庭で子供が2人いるからそんな高い治療費は払えないと帰っていったそうです
彼女のその後はわかりません・・・

悲しいけれどそういう話は、沢山聞きます

だんなさんが末期がんになって、緩和ケアに入ったんだけど不安だからと夜中に電話をすると奥さんが
とても嫌そうに電話にでるという話を聞いたことがあります。
そして、自分と子供を養うのに必死に働いてもお金は少ししかもらえない、その上、高額な医療費を
毎月払わなくてはいけない・・・そんな時に優しくできない。

ものすごく心が痛いと思ったけど、残されると決まった家族に『そんなのひどい』とは言えないと思った
残された家族は、どんな事があっても、生きていかなきゃいけないんだもの
誰も非難する権利なんてないんだって思った

家族のためにと『静かなる自殺』という治療を受けずに亡くなる人も沢山いると言われています
高額な治療費が家族の負担になるからということでした
最初は、みんな必死でがんばっています。でも、それが長期になっていくと精神的にも経済的にも
負担が大きいとつらくなっていくのではないかなと思います

がんは手術したら、治るものではないです。その後も検査が定期的にあります。
乳がんのホルモン療法を受けている人は毎月の注射に薬の服用などあります。
そして、乳房再建手術は保険適応外です。
手術で無くしてしまった乳房なのに、高額な金額を出さないといけないんです。
なんか変だと思いませんか?
また、白血病などでは高額な薬を一生服用する事もあります。それも知っておいて欲しいです。


がんサポート(高額医療費の壁):http://www.gsic.jp/for/fr_02/index.html
がんサポート(グリベック):http://www.gsic.jp/medicine/mc_01/04/index.html

がんと家族


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    2010年09月12日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(2)がんと家族

    この記事へのコメント
    がん治療に関しとても詳しく勉強され、充実した内容のブログだと思います。私の体験からいうと家族の力は大きいです。がん治療は幾らか時間的猶予はあるにしても経過が長い特殊な病気です。正しい情報を集めて治療に臨まねばいけません。これからも患者・家族の為になる情報発信をお願いします。
    Posted by へんせきへんせき at 2010年09月13日 21:20
    へんせきさん、ありがとうございます
    ブログ拝見させて頂きました
    私も現在、週1のマッサージに通っています
    大きな病院の医師に会うのは2ヶ月ごとだったりするので身近にいる人はとても頼りになります
    ただ、やはり「がん」という病気になって知ったのは、医療知識を持ってる人であっても(歯医者・皮膚科・整形外科などでも)
    「がん」については聞きかじりだったりしている場合が多いです
    患者の私ですら「ええ?」って思うことを言われることがあります
    患者だけではなく、そういう人にも正しい知識を持って欲しいと思ってます
    Posted by すももすもも at 2010年09月14日 08:14
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