ポジティブ心理学とは~その1~

ポジティブ心理学とは
人にとって、よいことは何か?という疑問に答えること。
米国ペンシルバニア大学教授でポジティブ心理学の第一人者と言われているマーティン・セリグマン氏が提唱したもの
従来の心理学は心の病の研究、つまり症状や発病原因の特定、病気の進行や治療法についての研究が中心だった。それに対して「ポジティブ心理学」は病気や悩みを引き起こすネガティブな感情に焦点を当てるのではなく、人間の本来のポジティブな感情、喜びや達成感や自信、楽観思考などに焦点を当て、それらを伸ばし開発する方法を研究したものである。
・主観的充実感、リズィリエンス、フロー、ポジティブ感情、自尊心、感情知能
⇒ポジティブな感情的な側面
・創造性、楽観性、説明スタイル、希望、自己効力感、目標設定、英知
⇒ポジティブな認知変数
・信頼、ユーモア、情熱、許容性、感謝、愛、共感、愛他性、モラル
⇒自己・対人関係に関する側面
・生物学的強靭性、利益への敏感さ、人生の意味、精神性
⇒生物学面側面などの様々な側面
ポジティブ心理学の目的と領域区分
ポジティブ心理学の目的
「心理学の関心を、人生で最悪なことの修復にのみ向けられている状態から、ポジティブな特質にも向けられてゆく変化をもたらす触媒となるもの」
ポジティブ心理学の研究領域
1)ポジティブな主観的経験に関するレベル
2)ポジティブな個人的特性に関するレベル
3)ポジティブな機構・制度など環境レベル
ポジティブ感情として分類されるものとしては、幸せや満足といった快適な状態を中心に満足や愛、興味興奮といった様々な感情が含まれる。また人がある行為に熱中している時に感じられる感情、フローもポジティブ感情に含まれている。これは人が何か楽しいことに集中して思わず時間を忘れるくらい没頭する流れるような状態の経験とされている。これは満足を伴うポジティブな感情として注目されている。このほか、珍奇なものを探求するマインドフルネスなどもポジティブ心理学に含まれている
ポジティブ感情とネガティブ感情は、両極なものとして考えられることも多いですが、本質的には異なると考えられている。ポジティブ感情は熱意や活動性を意味し、その高さはエネルギーや集中力・楽しさをもたらす活動と関連づけられている。低さは不快な状態と関連している。また、ネガティブ感情は、抑うつや怒りなどの不快な感情を意味し、その低さは平穏さ平常さ満足感に繋がると考えられている。
ネガティブ感情は不快経験の頻度と共に対処のまずさや健康への不安に関連していると考えられている
フロー理論とは?
Csikszentmihalyi博士により提唱されたフロー理論は、人間がフロー(Flow)という経験を通してより複雑な能力や技能を持った人間へと成長していく過程を理論化した「人間発達のモデル」であり、「モチベーションの理論」である。
フローとは、内発的に動機づけられた自己の没入感覚を伴う楽しい経験を指し、フロー状態にあるとき、人は高いレベルの集中力を示し、楽しさ、満足感、状況のコントロール感、自尊感情の高まりなどを経験する。また、これまでのフロー研究では、フロー経験と主観的幸福感、生産的活動への参加意欲、学習意欲、創造性などとの間に密接な関係があることが報告されており、日本人を対象とした調査においても、フロー経験の頻度と日常生活における充実感との間に正の相関が見出されている。
つまり、フローは人を活動に向かわせるドライビングフォース(driving force)となり得る経験であり、その活動においてフローを繰り返し経験することにより、人はその活動を遂行するためのより複雑な能力を身につけていく。
フローとはどういう状態か?
一つの活動に深く没入しているので、他の何ものも問題とならなくなる状態、その経験それ自体が非常に楽しいので、純粋にそれをするということのために多くの時間や労力を費やすような状態
フロー状態の特徴
(1)達成できる見通しのある課題と取り組んでいる時に生じる
(2)自分のしていることに集中できている
(3)明確な目標がある
(4)直接的なフィードバックがある
(5)意識から日々の生活の気苦労や欲求不満を取り除く、深いけれども無理のない没入状態
(6)自分の行為を統制している感覚をともなう
(7)自己についての意識は消失するが、フローの後では自己感覚はより強く現れる
(8)時間の経過の感覚が変わる
日常のポジティブな感情経験が援助行動を促進したり思考の柔軟性を増加したり適切な問題解決や意思決定をもたらしたりするということも明らかになっている。このように、ポジティブ感情はネガティブ感情のように特定の問題解決のために機能するというよりは全般的に長い目で見てプラスになるような長期的な効果をもたらすものと指摘されている。フレデリクソン達は、このようなポジティブ感情に関する研究成果をもとにポジティブ感情のモデルを推奨している
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ポジティブ心理学って聞いた時に「なんていい心理学なんだろう」って思いました
そして「フロー体験=人が何か楽しいことに集中して思わず時間を忘れるくらい没頭する流れるような状態の経験」を沢山することで、人は人生において重要な決断をする時にネガティブな判断をせずにすむ。
そして、フロー体験は人を成長させてくれるそうです
がんを告知されるというのは、人生において最高に最悪な経験だと思います
でも、そんな中でも人は間違った判断ではなかったと思えることが大切な気がしました
たとえその先に「死」があっても・・・だと思います
自分で選んで、自分で決めた事だから。と受け入れる力を持っていること
「ポジティブ心理学」の考え方って、がん患者さんに必要な知識かも。って思いました
2011年08月24日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(0) │その他
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