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記憶喪失になったぼくが見た世界~坪倉優介~

先日、テレビで18歳ですべての記憶を失くした青年。という紹介で草木染作家の
坪倉優介さんを見ました

記憶喪失になったぼくが見た世界~坪倉優介~

坪倉さんは、大学1年時の1989年にバイク事故でそれまでの記憶を失ってしまいますが、その後、記憶を失くしたままですが、大学への復学、専攻科へと進み、1996年京都の染色家奥田裕斎に師事する。1996~2003年染工房夢祐斎(京都市)で草木染色家として活動。

見ながら「これって、うちの叔母ちゃんとそっくり」って驚きました

『記憶喪失』って、韓国ドラマにでも出てきそうなドラマチックな響きがありますよね
でも、実際は、そんな甘いものではないと思います

記憶には「陳述記憶」と呼ばれるものと「手続き記憶」というのがあるそうです

「陳述記憶」とは、人の名前や物の名前などです
教科書を使った学習や知識は宣言的記憶として保持され、心の眼で再体験できる。対照的に手続き記憶は技能を扱う。宣言的記憶は忘れることがあるが、頻繁にアクセスされる記憶はそれだけ長持ちする。宣言的記憶をよく保持するには、記憶術や反復練習の一種である、積極的に思い出すことを利用することがよいとされる。
通常、記憶喪失と呼ばれるものは「陳述記憶」が多いそうです

「手続き記憶」は簡単には言葉で説明できないことが多く、意識しなくとも使うことができる。いわゆる「体が覚えている」状態である。手続き記憶は、時間をかけて学習した刺激応答などのパターンを反映することができる。一方、宣言的記憶は言葉にするのが容易である。手続き学習の例として、自転車の乗り方の練習、タイピングの練習、楽器の練習、水泳の練習がある。手続き記憶は永続性がある場合もある。

認知症の方が、人の名前を忘れているのに車の運転ができたりするのは「手続き記憶」が残っているからです

うちの叔母は、病気の後遺症で記憶がなくなっていきました
母いわく「毎日、毎日、子供になっていく」ようでした
毎日毎日、できなくなることが増えていく状態で、例えば、うちの母の事もそうです。
昨日までは「お姉ちゃん」って子供のように呼んでいたのが、次の日は「あの人、怖い」って泣きながらいいます
そして、トイレもそうでした
昼間はできていたのに、夕方に病院から電話がきて「トイレができなくなったので、オムツを持ってきてください」と言われます
なんでなん??って
トイレという感覚がない。子供ですら「おしっこ」って言うのに・・・
家族には、それがわからないというのが、全く理解できない
しかも、毎日のように出来ないことが増えていく状態です

おしっこしたんだから、服を着替えなさい。といっても「服を着替える」事がわからなくなっていく
一体、何が起きているのかすら医師であってもわからない

「認知症ですか?」といっても、医師も「こんなに早いわけはない」といって検査をする
でも、その検査の意味も検査をしなくてはいけないって事も理解できなくなっていく

「人が壊れていくってこういう事なんだって思った。」って、母がぽつりと言いました

うちの叔母は、病気の後遺症でしたが、幸い発見が早くて医師がいう「奇跡の回復」で
現在は記憶を無くす前の、記憶を取り戻しています
でも、自分が記憶をなくしていた時間は、覚えていません
これって、本当にドラマみたいだなって思いました

坪倉さんは、自分の失くした記憶を取り戻すことはできないそうです
でも、努力した時間を覚えている事はものすごい自信になるような気がします

本の中で、恩師が「事故を言い訳にするな」など、かなり厳しい言葉をいいます
仕方がないことなんだから。と思うし、なぜ、そこまでいうのかな。とも思いました

でも、その言葉って今の私と同じかも知れないなとも思いました
「がんを言い訳にするな」って言われているのかもしれないな・・・って

確かに体調が悪いとかあるけど、でも、それを言ってもどうにもならないことなんだし
でも、どこかで「がんじゃなければ・・・」と思っている自分がいます

自分の今を受け入れること。それは、どんな時であっても難しいのかもしれないですね

でも、それを受け入れることができた人はとてつもなく強いのかもしれない。

現在、坪倉さんは草木染作家として活動されているそうです
彼が作ったものを見ると、不思議な色使いでした
まるで「夢の途中」のようだと感じました

坪倉さんのブログ:http://blogs.yahoo.co.jp/men_coffee_1225

私が書くと、ついつい患者目線な書き方になっているなって、ちょっと反省してしまいました
こちらの「そよ風つうしん」さんで、とてもわかりやすく紹介されています

http://blog.goo.ne.jp/mori15donguri0402/e/6bf588ea5c899894761b1179b9d75f34

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    2011年03月02日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(8)読んだ本・・・その他

    この記事へのトラックバック
    みなさん、坪倉優介さんという人を、ご存知でしょうか?

    10年ほど前に『ぼくらはみんな生きている』よいう本が出版されて、テレビなどで取り上げられたので、覚えてる人もいらっしゃ...
    坪倉優介さんのこと【そよ風つうしん】at 2011年03月07日 15:28
    この記事へのコメント
    わっ、坪倉さんのご紹介、ありがとうございます!!

    私は「僕らはみんな生きている」が発売になった頃からのファンなんです。
    たぶんラジオで聞いて本を読んだんだと思います。
    あ、もしかしたらドキュメンタリーが放映されたのかも。。。

    京都の人で、大阪の大学に通われていたので、親近感もありました。
    ブログ、知らなかったので、早速お気に入りに入れさせてもらいました。
    いずれ、私のブログにもご紹介しようと思います。
    Posted by 森のどんぐり屋 at 2011年03月03日 15:24
    森のどんぐり屋さんは、色々な事をご存知ですね

    坪倉さん、テレビでの印象は「ほんわか」した方だなって思いました
    話し方も関西人には親近感の湧くような感じでしたね
    生きていると色んな事があるんだなって思いました
    自分はただ受け入れるしかない。それが人生なのかな?
    何もない人生なんてないんでしょうね・・・
    ただ、それがどういうものかは自分以外の人が決めるのかも
    自分が「いい人生だった」って思えればいいですね

    ぜひ、ブログで紹介してください♪
    Posted by すももすもも at 2011年03月03日 19:37
    今日は私のブログにもご紹介させていただきました。
    何かありましたらおっしゃってくださいね。書き直しますので。

    ご本が一冊でも多く売れますようにと願っています。というよりは・・・一人でも多くの方があの本から元気を貰ってほしいなあと思います!
    Posted by 森のどんぐり屋 at 2011年03月07日 15:37
    森のどんぐり屋さん、そうですね

    どんなにつらい事があっても、人は立ち直ることができるんだよ。って思いました
    病気だったり事故だったり、思いがけない出来事って人生の中ではあると思います
    どんな事であっても「受け入れられる」人が強いのかな。なんて思います

    私はまだまだですが・・・そうなれればいいかなって思ってます

    私のつたない文章では、本の紹介がいまいちだなって思っていたので、そよ風つうしんさんのブログを追加させて頂きました
    Posted by すももすもも at 2011年03月07日 16:32
    二人でそれぞれの視点からご紹介できて良かったです!
    またいつか何か、コラボで紹介が出来るといいですね。
    とてもうれしかったです。
    Posted by 森のどんぐり屋より at 2011年03月07日 21:53
    こちらこそ、よかったです

    ありがとうございました
    Posted by すももすもも at 2011年03月07日 22:56
    すももさんはじめまして。
    こちらも、まじめにテレビを観ていただけた事分かるくらい、
    的確なコメントどうもありがとうございます。
    またちょくちょくちょく覗きに来ますので~
    それぞれの特徴あるメッセージに期待up!(笑)
    Posted by ゆうすけ。 at 2011年03月09日 16:08
    ゆうすけさん、コメントありがとうございます

    公表されているプロフィールを見ると、私と同世代くらいでした
    私も20年くらい前に大阪に住んでいました
    近くにいても出会うことはなかったのに、不思議だなって思いました
    色んな人生があるんだなって思います
    1つとして同じものなんてないんですよね

    私もブログにちょくちょく、おじゃまします
    Posted by すももすもも at 2011年03月09日 18:08
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