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私の中のあなた

『わたしのなかのあなた』(My Sister's Keeper)は、ジョディ・ピコーの小説

私の中のあなた

この本は、キャメロンディアスがお母さん役で映画にもなっていて、しかも彼女がスキンヘッドになって話題になっていました
映画を見た人の感想を読むと、ほとんどの方が「涙がとまらなかった」と書かれていました

この映画のあらすじは、かなり簡単に言えば、父・母・長男・長女・次女の家族がいて、その中の次女(アナ・フェッツジェラルド)は急性前骨髄球性白血病の姉(ケイト)のドナーとして、遺伝子操作で生まれてきた。アナはケイトのために臍帯血、輸血、骨髄移植などでケイトの犠牲となってきた。アナが13歳の時、腎移植を拒み、両親を相手に訴訟を起こす。

というところから物語が始まります

『救世主兄弟』
骨髄移植などをする時に、遺伝子の型がいくつか適合していないとできません
その適合したドナーを見つけるには、家族の中に適合者を見つけるか
それができない場合は、骨髄バンクに登録する方法があります
しかし、全ての項目が適合するというのは、ほとんどなくその適合したドナーを作るために
体外受精した卵子が分裂し始めてから、遺伝子検査をして適合した受精卵だけを体内に入れ
着床させるという方法です
アメリカではすでに200人以上の救世主兄弟が生まれているそうです

この映画を見た人の感想に書かれている1つで『こんな事が本当にあるなんて』という感想がとても多かったです
このような遺伝子操作で生まれた子供は『救世主兄弟』と呼ばれています。
ですが、このような事は、現在ではアメリカのみで認められています
ヨーロッパではこのような遺伝子操作は、倫理的に許されるものではないと法律で禁止されていますが、アメリカでは、これは本人、もしくは医師の倫理観によるものであって法律で禁止はしないという事だそうです
日本では、知られていないという事を考えても理論すら行われていません
きっと日本の技術をもってすれば、こんな事は簡単にできてしまうんだろうなって思いました

この小説を読んでいて思ったのは、姉の病気のために子供を作るという事がどういう意味を持っているのかという事でした
両親にとっては「救いたい命」であるのは間違いないと思います
ただ、それによって生まれた彼女が次々に行われる医療行為(といっても彼女は全くの健康体です)が、果たしていいのだろうか?という事です
個人や個性を優先というアメリカで行われているのが考えられないなって思いました

この小説の中に出てくる双子の姉妹がいます
彼女は、姉妹のうちどちらかが病気になったら自分が犠牲になる。と言います
それがたとえ臓器移植であってもです
事実、ケイトの兄ジェシーは自分が適合者でない事を後悔します

色んな事があって、最終的に『なぜ彼女は両親を訴えたのか?』という結論に達します

結局、それがわかった時にアナ(次女)が犠牲になるのを嫌がったケイト(姉)がアナに頼んで両親を訴えてくれと言ったという事がわかります

これは、それぞれの意見だと思いますが私なら、この気持ちはわかると思いました

誰かが自分のために、ずっと犠牲になってくれるというのはつらいものだと思います

この本の結論は、どうも納得できませんが、実際にこういう事が行われているところではどうやって結論をつけているんでしょうか?物語の中の夢見るような決着のつけ方ではないところが知りたいって思いました

小説と映画は違うんでしょうか?
私は、この本で泣くようなところは全く無かったのですが・・・??

あと邦題の『私の中のあなた』よりも My Sister's Keeper というほうが納得できる気がします

急性前骨髄球性白血病:http://www.gan-pro.com/public/cancer/hemat/acute-promyelocytic-leukemia.html

こちらはNHKスペシャルで放送された「幹細胞生殖医療救世主兄弟」の詳細です
救世主兄弟:http://topicsnow.blog72.fc2.com/blog-entry-314.html


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    2011年04月05日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(0)読んだ本・・・その他

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