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知るということ

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診察室のワルツ:/18 手術の説明と合意=岡本左和子

 前回は短い診察時間に、患者と医療者が焦点をずらさずに話を進める方法を紹介しました。では、手術や抗がん剤投与など、身体への負担が大きな治療について説明と合意を必要とする場合はどうすればよいのでしょうか。

 私が経験した例です。婦人科系の悪性腫瘍を患ったその方は仕事への早期復帰を強く希望されていました。新聞やインターネットで得た情報から、腹部に小さく穴を開け悪い部位だけを摘出できる腹腔(ふくくう)鏡による手術方法があると知り、その治療を望まれました。しかし、患部が大きく、その手術は適応できず、担当医は開腹手術を提案しました。その医師は繰り返し、非常に丁寧に手術の説明をしましたが、患者は納得しません。

 病気が進行していたため、その医師は「本当に患者のことを思っている」と伝えようとして、「あなたが私の母だとしても同じ提案をします」と言いました。ところが、その方は「私は息子の話を聞きに来たのではなく、専門家に治療を受け、早く仕事に戻りたいのです」と憤慨されました。「聞いてもらっていない」という不満とタイミングの悪い「思いやり」で、医師の意図しない方向へ患者の気持ちがずれてしまい、「この医師は切りたがっている」という疑心暗鬼が生じてしまいました。治したい医師と治りたい患者の一生懸命な思いがすれ違ってしまっては、ワルツは踊れません。

 「治療に来ているのだから、同じ焦点を見ている」と医師も患者も思いがちですが、治療への思いには幅があります。医療者は科学的根拠に基づいた治療という問題解決が焦点になります。患者は仕事や親の介護などの日常生活と治療の共存を考え、それによる患者の受け入れがたい気持ちや戸惑いを「医療者も分かるはずだ」と思い込みやすいといえます。

 相手をおもんぱかるのは日本人の長所ですが、同時に間違って解釈する危険性もあります。メッセージをできるだけゆがめずに伝えるには、お互いが相手のフィードバックに注意し、相手の言葉の意味を確かめながら、相手の理解できる範囲と立脚点に沿って話を進めてください。その時に相手の気持ちを確認することも大切です。(おかもと・さわこ=医療コミュニケーション研究者)

毎日新聞 2012年2月8日 東京朝刊

http://mainichi.jp/select/science/news/20120208ddm013070127000c.html?inb=yt

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ネットで見つけた記事です

不思議なものだなと思った
私の友人は、乳がんの0期で非浸潤がんでしたが、医師から手術・ホルモン療法をいわれたそうです

その時に彼女は『もしも私が先生の奥さんや娘でも同じ治療を進めますか?』と聞いたそうです
医師は『同じ治療を進めます』と言ってくれたそうです

彼女は、医師のその1言で治療を受けることを決めたと教えてくれました

私の場合は1b1期でセンチネルリンパ節生検という治験を受けるために東北大に行きました

その時に、医師から『あなたには32人の仲間がいます』と言われました
私は『32人の仲間がいるんだ、じゃあ、私は33人目になろう』と思いました

「たった32人」と思うか「32人もいる」と思うかは、その人次第だと思います

そして、その言葉を受け止める側の患者の心の状態もあると思います

きっとこの患者さんは腹腔鏡手術を受けたいという気持ちからだけではなく、がんという病気を本当の意味で理解していなかったし、受け入れてなかったんじゃないのかな?と思いました

がんはステージによって受けれる治療が違うという基本的な事を知らなかったんだろうなと思った
また、全ての病院で同じ治療が受けれる訳でもないというです

そして、そういう意味で医師の説明が足りなかったのだと思います

この記事を読んで、医師と患者の信頼関係って、難しいなって思った

『たった1言』が患者の背中を押してくれることもあるのに、患者の心の扉を閉じてしまうこともあるんだなと思った

『自分を知る事』患者さんは、自分のがんがどういう状態なのかを知ることが大切なのだと思った
その上での「なりたい自分」そして「受けたい治療」を見つけることが大切だと思います


私の治験ですが、治験というと、色々な人に「人体実験」と言われました

そういう考え方もあるけれど、私は自分が受けた治療がこれからの標準治療になっていくんだと思っています
そして、リンパ節に転移がないにも関わらず、リンパ郭清をしている今の医療現場からリンパ浮腫に悩む女性が1人でも少なくなってくれればと思っています

ただ『人体実験』という人ほど標準治療ガイドラインや先進医療などの正しい知識の無い人が多い気がします

今の日本の医療は、治験が進まないために諸外国から比べてとても遅れている部分があります

またドラッグラグなど命に直結している問題もとても多いです

『人体実験』という見方ではなく、正しい知識で医療現場を見て欲しいと思います

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ドラッグラグ問題
欧米などで開発され世界各国で導入されているワクチンが、日本では承認されていないため使えない、この隔たりを「ワクチンギャップ」と言う。すでに世界110か国以上で導入され、90か国以上で定期予防接種プログラムに組みこまれているワクチンでさえ、日本では認可されていないため使用することができない、またワクチンが承認されても任意による全額自己負担に留まっているなど世界標準に及ばない日本の予防接種体制をいう

ドラッグラク問題といえば、卵巣がんのスマイリーさんのHPに詳しく書かれています
http://www.dai2ntv.jp/news/druglag/

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    2012年02月15日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(2)がんとこころ

    この記事へのコメント
    すももさんへ
     退院して10日になりましたが、お散歩も再開して
    経過は順調です。(^-^)

     医師に患者として考えている事を伝えるのは
    たしかに難しい事と感じています。
    今回の手術も担当医と執刀医が異なったため、
    言葉で説明するより文字が良いかと考えました。
    職業柄か最初の乳癌と再発してからの医師とのやり取りを
    A4の用紙に経過表としてまとめて手術前の診察時に
    持参しました。
     そして、直接聞くためのメモも用意しました。
    (医師は驚いていましたが、目を通してくださいました)
    診察室って、医師のテリトリーなので私は緊張してしまいます。
     時々、患者の待っているところに医師が来るような
    システムならもっと話せるのに・・・・なんて思う事も。
    とても合理的なものではありませんが。(~_~;)

     患者も学習しなければならないのだと感じています。
    たぶん、癌だけではなく他の病気も同じだと
    思うのですが、癌は特に必要ですね。
    私は生化学が好きなのでマニアックな本を読んでいます。
    ワインバーグの「がんの生物学」なのですが、
    すももさんはご存知ですか?
    Posted by ディアナ at 2012年02月16日 05:48
    ディアナさん、おはようございます

    私も診察の時に、聞きたいこと・疑問に思うことなどを書いて医師に渡しました
    都内のK大学病院では無視されましたが、東北大では医師がきちんと目を通してくれました
    病院によって医師によって対応の違いがあるけれど、患者が「わかって欲しい」「理解して欲しい」という気持ちを、きちんと受け止めてくれる医師が本当の意味でいい医師だと思いました
    そして、ディアナさんのように「相手に理解してもらう方法」をきちんと考えて対応することが大切な気がします

    入院中はたびたび医師が病室にきてくれて話してくれましたが、退院後はそういう機会がないので患者会にお願いして「先生を囲む会」を催してといっています
    そういう要望を直接話せる機会があるといいですよね

    「がん生物学」おもしろそうですね
    私は法医学とダーウィンの進化論が好きです
    中学生の時に、ガラパゴスゾウガメのジョージに会いたいと願って30歳の時にとうとうガラパゴスに行くぐらいに好きです
    Posted by すもも at 2012年02月16日 08:59
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