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監察医が明かす 女だけの死体ファイル

監察医が明かす 女だけの死体ファイル 上野正彦著



彼を奪った親友をバラバラにした女。死んだわが子と一年半も暮らした歌手。
愛人に捨てられた女の湖からの…ほんとうの被害者は誰なのか。
死体の悲しい叫びが聞こえる…。
2万体の死体を見続けた監察医が、初めて綴った40年間にわたる知られざる女の事件簿。

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上野先生が「女性はバラバラにして死体を遺棄する」と書かれていますが
その理由が、体力的にも劣る女性が車などの免許がない場合にバラバラにしたものを
捨てると聞いて、そういえば以前、新宿・渋谷にタクシーで乗り付けてゴミ袋で旦那を捨てた人がいたなって思い出しました
ついついバラバラ殺人と聞くと「残虐性」ばかりが取り上げられてしまいますが
実はそんな理由だったりするんだ・・・と驚いたり・・・

犯罪は、私たちが思うよりもずっと残酷な事が起きていたりするんだって思ってしまったり・・・

人の死を見続けていた上野先生が、死体の声を聞くだけではなく、それを起こしてしまった生きている人の
気持ちを書いているのが印象的でした
身勝手な犯罪もあるけれど、流産してしまった子供とずっと一緒にいた親の切なさを感じるものもありました

最近、女性が自分の子供を同居している男性と一緒に殴った挙句に殺してしまうという事件が
とても多いような気がします
『しつけ』という名の元で行われている暴力を聞くたびに、この親のところに生まれなかったら
この子供もちゃんと生きていけただろうに・・・と思う事も何度もあります
必死の思いで不妊治療や不育治療を受けている方のところであったら
果たしてこんな事になったのだろうか?と思ってしまいます

そして、すごく不思議だったのが「この人でなければいけない」的な犯罪も多い気がします
「別れよう」と言われて「この人と別れたら、次の人はいないかも」みたいな若い人の犯罪。
なぜこんなに若いのに失恋をそこまで恐れてしまうんだろう?って思います
若さってそれだけでも十分な武器だし、もっと割り切れないものかな??って
人との付き合い方がドライなイメージがあるのに、やっている事はねちっこいな~~って
違和感を感じてしまったり・・・

ただ、この本を読んで感じたのは「普通の人」がいつの間にか犯罪に巻き込まれてしまったものや
なぜやめれなかったの?なぜ逃げれなかったの?という事も・・・
「嫌」という事が、自分の身を守ることでもあるんだって、改めて考えさせられた本でした

私は、犯罪物のドラマや本がとても好きでした
病気になって、どうもそういう本は読まなくなっていっていたのですが
最近、また読み始めました
上野先生の本は、色んな事があって読みたくないと思っていたのですが
「人はそれぞれ考え方があるんだし・・・」と思って、また読み始めました

がんという病気は自分の生き死にを考える病気なんだなって思いました
ただ、最近知ったのは死別する理由って、病気だけではないんだなって事です
普通に考えると当たり前かもしれませんが、ついつい病気になる事ばかり気にしている自分がいました
でも、ある日突然、だんなさんを事故で亡くした方の話を聞くと「普通の日々」って何だろう?って思いました
明日は同じ日がくるなんて、どこにも保障されてなんていないんだ・・・って当たり前の事を考えました

先日も、山登りに行った旦那さんが遭難して何日か後に発見されたけれど、遺体確認すらできずに
そのまま火葬したという話を聞きました
同じように、遭難したけれど見つからなくて、災害などで危難失踪人と認められた方などいらっしゃいます

「じゃあ、行ってくるね」と出かけた人が、帰ってこない
どんなに会いたくても会えない・・・

犯罪に巻き込まれたり事故にあった人は、みんなそうです
そういう人の最後の声を聞いてくれる監察医ってすごいなって思います  
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  • 2011年03月08日 Posted by すもも at 00:00Comments(2)読んだ本・・・その他