たまりば

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母の電話

お父さんからメールが来て『最近、お母さんが寂しそうやから、たまには電話したってくれ』って書いてた
あんまり乗り気ではないけど、久しぶりにお母さんの話相手になってみよって思って電話をしてみたんだけど・・・
またまた始まった「あんたは1回死んだ子なんやから・・・大丈夫」話。
本当に、もうどうしようもなくその話が嫌な私としてはほどんど相づちも打たないで聞いてた
なんで、そんなに「1回死んだ子」って言わなきゃいけないんだろう?と思った
でも、ふと思った・・・
もしかして、お母さんってずっとずっと私が生まれた時から、それを背負っているのかもしれないなって
「この子は死ぬかもしれない」「この子は長くは生きれないかもしれない」って
だから、私が生まれた時の感想を聞いても「嬉しかった」とかって記憶がないんだなって
ただただ「死ぬかもしれない」ってことだけだったのかもって・・・
そう思ったら、お母さんの不安ってどれほどのものだったんだろうなって思った

先生から「あきらめてください」って言われて、血小板交換を3日間も続けて
そして、やっと生きた子供だけれどあまりにも小さい体の私は抱くことすらできなかった(らしい)
お風呂に入れるのも、手の大きなお父さんの役目だったそうです
だから、私の記憶の中にお母さんはほとんどいないのかも知れない

あまりにも小さい体だった私は、市販の洋服もなくて、ほとんどが手作りでした
小さい時の私の洋服は、お母さんの手作りだったのはそういう事だったんだってわかった
だから、お母さんに愛情がなかったわけではないと思う
でも、不思議なくらいに「お母さんに懐かない子供」だったそうです

そんな私が、今度は「がん患者」になってしまった
今度は本当に死んでしまうかもしれない
そう思ったら、私を生んだ時の記憶が蘇ってきたのかな?って思った
だから、何度も何度も「1回死んだ子やから・・・」って言うのかも知れないなって思った

もしかしたら、この病気を一番受け入れたくないのは、母なのかも知れないって・・・そう思った


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    2011年09月26日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(0)がんと家族

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