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『個室がいい?』

『個室がいい?』

入院中に婦人科の婦長さんと話をしていた時に『海外だと個室が多いけど、どう思う?』と聞かれました
私は『個室は寂しいから、大部屋がいい!』と答えました
この話は、以前にも書いたと思いますが、先日、コメントを頂いてずっと考えていた事がありました
私の入院した病院では、最後まで「戦うことができる病院」でした
今では、緩和ケアも多いし、もちろん、そちらに行く事もできますが、最後を病棟で過ごすことができる病院でもありました
私が退院してから、私と同室だった方が個室に移動されて亡くなりました
その後にも何人かの方が、亡くなっていました

同室だった人は、再発を繰り返しながら抗がん剤治療を受けられていました
その時に言われたのは『私、死なない癌なの』でした
卵巣がんで再発をするけれど「死なないのよ」って。
それを医師から告げられた時に「あなたの癌は再発するけれど、抗がん剤治療を受ければ、今は、完治はしないけれど死なない。でも、この先、あなたの癌をやっつけてくれる抗がん剤が出来るかもしれない。だから、大変だけれど、それを信じて抗がん剤治療をやっていきましょう。」と言われたと教えてくれました

退院してからわかったのは「ドラッグラグ問題」でした

日本のワクチン問題は、北朝鮮と同じと言われています
なぜそんな事になってしまったのか?
それは「ワクチンが100%ではない」という正しい知識を私たちが持っていなかったからではないでしょうか?
100%ではないから、そのリスクを考慮してもワクチンは大切であると理解していれば、今のように諸外国では認可されているワクチンが日本では個人輸入や病院がリスクを負ってでも輸入しなくてはいけないなんて自体にはならなかったのではと思います
ワクチンを認可しないのではなく、何かがあった時には適切な対応なりを国に求めるようにしなければいけなかったのだと思います
ただ「ワクチンは危ない」とか「リスクがあるんだから認めない」では、今のように海外で新しいワクチンができても沢山の患者の命が失われないと認可されないなんて事になるのだと思います

正しい「知識」「理解力」そして「判断力」が必要なのだと思います

確かに日本の技術はテレビ番組で見ると「すご~~い」かもしれません
でも、果たして私たちは諸外国の治療がどういったものか知っているのでしょうか?

最近、がん治療でも早期がんの方はクリニックで手術される人が多いという事でした
入院期間が短い人は、クリニックで他の患者さんとは出会わないで治療が受けれるというのが「売り」だそうです
でも、果たしてそれがいいのでしょうか?
私がブログを始めた理由は、亡くなってしまった、私と同室だった人の『1日でも長く生きていきたい』という言葉からでした
それ以外にも彼女は私に沢山のことを教えてくれました

『私、死なない癌なの』と言ってくれた卵巣がんの彼女もそうでした
私は、再発の人といつも「普通」の事を話してました
もちろん、その時は色んな事を理解していなかったところもあります
でも、自分の病気や自分の治療を理解するには、先輩患者さんと話をする事が一番だと思います
こういうとダメなのかもしれないけれど「自分がいかに恵まれているか」を実感してもいいと思います
そして「がんばって生きていこう」「その人のためにも恥じることなく生きていきたい」でもいいのでは?

それが先に旅立った先輩患者さんが一番喜んでくれることだと思います

私のこんなブログだって彼女達なら「あらあら、あなたったら」って笑って言ってくれる気がします
今でも彼女達の事を思い出すと、涙がでます
どんな人が亡くなったよりも、つらい出来事でした
何も知らなかった私は「いつか退院できるんだ」って思っていました
でも最後まで立派に戦い、とうとう力尽きてしまいました
婦長さんが「最後まで立派だったわよ」と教えてくれました
がりがりに痩せてしまってたけれど、凛とした彼女達の姿を思い出します

以前、抗がん剤治療で入院されていた人が「抗がん剤で吐いてる私に舌打ちする人がいたの・・・」と、言って私たちに「申し訳ない」と謝っていました
何もくちにする事もできなくて、吐いていて、見るからにつらい治療を受けている人になんちゅうこと言うねん!と思った
でも、もしも私が個室にいたらどうだったんだろう?と思いました
抗がん剤治療を、その人がどういう気持ちで受けているなんて考えないで「辛い治療」「吐いて嫌だわ」と「私は違う」としか考えなかったんじゃないのかな?って思った
そして例え大変な手術でも手術が受けれるだけでも「自分がどれほど恵まれているか」を知ることもなかったのかな?と思います

誰とも一緒にならない治療は、そんな貴重な機会も摘み取っているのではないでしょうか?

こんなに「ピアサポーターが必要」と叫ばれている時代に、なんだか時代錯誤な気がします
もちろん、お見舞いの方が多いとか色々な理由はあります
でも、ただ「人に会いたくない」だけの理由だったら、どうでしょう?
人に知られたくないから。というのであれば、ずっと隠していくのでしょうか?

私は『個室にしますか?大部屋にしますか?』って聞かれたら
『みんなと一緒にしてください』って答えます
そして、どんな病室であっても「笑っていたい」と思います

病室の雰囲気は入院している人が作るものだと思います
看護婦さんや入院患者さんが居心地のいい部屋だと思えるのは、患者さんが作るものだと思います
「嫌な病室だったわ」という前に「じゃあ、自分はいい患者だったかしら?」と考えてみてくださいね

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    2011年11月11日 Posted byすもも at 00:00 │Comments(2)がん

    この記事へのコメント
    すももさんへ
    本当に言葉を真摯に受け止めている方だと改めて
    感じました。多くの考え方や受け止め方があるのですね。
    私個人としては個室が結果的に良かったのですが、
    すももさんの考え方も素直に納得できます。
     担当医師と関わる時間が長くなり、最近感じる事なのですが、
    がんという病気は、生き方や価値観が大きく関与していて、
    治療法や手術(治療拒否)も含めて複雑な気がしています。
     ただ、様々な多くのものを受けとめながら関わっていくしか
    ないのだと感じています。
     病気だけを別にする事は出来ないようです。
    そしてこの病気は単に考え方だけではなく、「経済的な負担」も
    無視できない現実があります。結局は、総合的に判断して
    優先順位をどうするかで決まる気がします。
     同じ環境にあって、同じ言葉を聴いても受けとめ方は
    異なります。だからこそ、入院時のお部屋の事も含めて
    私たちの経験を声や文字にする意味があるのだと思います。
     自分の感じた事を素直に表現していくのが
    とても大切だと思っています。
    これからも、楽しみにしています。(*^_^*)
    Posted by ディアナ at 2011年11月11日 12:50
    ディアナさん、ありがとうございます

    私がこの病気になって感じた事は、がんという病気は自分の「価値観を知る」病気でもあるということかな?
    どんなにわかったつもりでも「人それぞれ」って、理解している人ってなかなかいないように思います
    でも、本当の意味で「自分の命」を考えた人は、それが見えるように思えます
    その1つの手段が「人と話す」ことだと思いました
    特にそれを考えた人と話すことが大切なのではないかなと思います
    治療1つにしても、病院選びにしても様々な考えがあると思いました
    ただ、その中で感じたのは「自分の病気を受け入れること」の大切さでした
    私もまだまだだけど、これからも文字にしたりすることでできればいいかなって思ってます

    これからも、よろしくお願いします
    Posted by すももすもも at 2011年11月11日 21:09
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