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がん患者は特別?

『がん患者は特別?』という疑問は、2年が過ぎたあたりから感じていました。

先日、がん友さんが東京マラソンでゴスペルを歌いました。彼女が「沢山の応募の中から選ばれて歌えるようになったのよ」と教えてくれた時に、正直、そういう事がよくわからない私は「そうなの??」と聞いたら「書類選考があってテーマなんかを書いて出して、選ばれるんだよ」とのこと。

乳がん体験者の人たちの活動は、婦人科がんの私たち(体験者で話した時にもそういう話題がでるので)に比べると、とっても同じようには出来ないな…と思う事があります。でも、若くして「がん体験者」になった人がこれだけいるんだよ。というのを知ってもらえる事は、大切な活動だと思います。

ただ最近、自分自身も含めて感じているのは『がん患者は特別』なのだろうか??という事です。

東京マラソンで沢山の中から選ばれる理由が『がん体験者』だから。なんじゃないのかな?と思った。もしかしたら、書類選考じゃなく実際に歌ったら、彼女たちよりはるかに上手な人たちがいたかもしれないし…。

友達は「せっかく発表の場を与えてもらえたんだから、頑張って歌わなきゃ」と言っていました。

私自身、がん患者になってしばらくは、心のどこかで「私はがんなんだから」「私は大変な病気になったんだから、○○してもらっても当たり前」という気持ちがなかったとは言えない気がします。

あるがんの講演会の主催者の方が教えてくれた話で、講演会の会場の空調の温度調整が効かずにすごく寒かったそうです。すると夫婦で来られていた人の旦那さんのほうが「(がん患者の)妻が風邪をひいたらどうするんだ!」と言ってきたそうです。それからチラシには「空調の関係で寒くなることがありますので上着をお持ちください」と書くようにしたと話してくれました。

これが公共の交通機関なら、旦那さんは言っただろうか?と思った。そしてこれが、がんの講演会だからなんじゃないのかな?って思った。そうでなければ「がん患者の」とは言わない気がします。
でも患者にも色々な人がいます。暑がりの「がん体験者さん」だっています。

私は退院後、すぐにお腹を壊すから長い時間公共の交通機関を利用する時は膝かけを用意しています。また退院後しばらくは仙台まで新幹線を利用するときには必ず「多目的室」の近くの席を予約しました。

退院すれば、それは一般の人と同じようにしなきゃいけないところがあります。でもどこかで「自分はがん体験者なんだから」という『特別な意識』があるような気がします(自分も含めて)

退院後、いろんな病気の患者さんや障害をもつお子さんの親と話しました。
がんだけが病気ではないんだと考えさせられた事が何度もありました。
確かに「がん」は命を奪う病気だし、手術後の後遺症もあります。

でも、退院した後は基本的には自分の事は自分自身で背負わなければいけない気がしました。

入院中に一緒だった患者さんと電話で話した時、外来の先生に嫌な気持ちにさせられた話をしてくれました。そして「私たちはN先生に診てもらえて本当によかったわよね」と言った時に、なんだか退院後の外来で先生に会えないと文句を言ってた自分自身が少し恥ずかしいと思った。

Iさんがいうように、私たちはN先生に診てもらって助けてもらったんだから、これから先は自分で何とかしていかなきゃ。と思った。そして先生が最優先するのは私たちみたいに退院した患者ではなくて、今まさに告知されて病院に来た患者さんなんだと思った。それでなくても「見えないところで忙しい」先生たちだし。

患者は患者のできる事を自分の与えられた場所でがんばる。それも「がん患者学」なのかな。と感じた私でした。  
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  • 2013年04月20日 Posted by すもも at 00:00Comments(0)がんとこころ