たまりば

多摩の地域情報 多摩の地域情報三鷹市 三鷹市

スポンサーリンク

上記の広告は、60日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  

Posted by たまりば運営事務局 at

乳がんと牛乳 がん細胞はなぜ消えたのか1



少し前に、友達からこの本を読んで牛乳を飲むのをやめて治療を受けるのをやめてしまった
乳がんの患者さんの話を聞きました

図書館で借りようと思っても、なかなか借りれずにいたのでやっと読めました
ただ、まだ全部を読んでいません

それでも、この本に関しては関心の高さもあるし、何回かに分けて書いてみようと思います
『乳がんと牛乳』の検索コードだけで18700件がヒットしました

この本の著者は、ジェイン・プラントというイギリス人女性でインペリアル大学応用地球科学教授
英国王立医学協会・終身会員という事です

この本は2000年に英国で初版が出版されて日本を入れて世界16ヶ国で出版されているそうです
(日本では2008年に発行)

彼女は、1987年に42歳で乳がんを発症。その後4回の再発とリンパ節への転移を体験されたそうです

今回は、第1章:帽子と大蛇と科学者について、私なりの感想を述べたいと思います

体験談は、その方によって違います
人それぞれに考え方があっていいと思いますが、読んでいて疑問点があったりしたところを
私なりの目線で書いてみたいと思います
その上で、気になった方は読んでみてください

1987年という事は、24年前になります
ただ、読んでいてイギリスの医療現場と、現在の日本の医療現場が、あまり違和感なく読めました
つまり、今の日本の医療現場が欧米にくらべて20年遅れているという事なのかもしれないと思いました

彼女が書いている言葉で、研究者として迷った時の対処の方法があります(抜粋)

1:現存する情報をくまなく集めて、客観的に、公平に、厳しく判断する
2:実験あるいは調査・観察によって新しい真実を発見する。
3:研究の成果は現存の理論に照らして評価され、新しいアイデアとして認められる
4:研究成果が新しい仮説として提案される。
5:仮説を検証する。

もちろん、患者は研究者ではありません。
でも、この5つの事柄は治療を受ける上で参考になるような気がします

1987年に胸にしこりを見つけた彼女は、自分の担当医師から「乳房温存手術+放射線治療」を
受ける事を進められますが、たまたま自分の担当医師ではない医師の診断を受けた時に
乳房全切除手術を受ける事を強く勧められ、再発の恐怖心から全摘手術を受ける事を決意しました

乳がんの検査としては「針生検」「胸部X線検査」「マンモグラフィー」「肝臓のエコー検査」「骨シンチグラフィ」
診断はステージ1期「非浸潤性の乳管がん」
手術で「乳房全切除手術」を受ける

彼女が文中に書かれている治療を受けるときの注意点として

・その治療法の最終的な成功率はどれくらいか。そもそも、この場合の「成功」とはなにをいうのか。
・ほかに受けられる治療があるのか。どうやって比較するのか。
・治療を担当する医師個人の治療成績はどうか。他の分野の医師にくらべてどうか。
・どんな副作用があるのか(一般的なもの以外も含めて)
・この処置を受けたあと、自分の生活の質はどうなのか(QOL)。


これらの事は、今の医療現場では当たり前の事だと思います
でも、少し前の日本ではどうだったのでしょうか?
もしかしたら、今の日本の医療現場でもこれらの事をきちんと踏まえて治療に望んでいる患者さんは
まだまだ少ないかもしれませんね
これらの事は、やはり治療を受けた患者ならではの言葉だと思います
また、ご自身が研究をされている方らしい言葉かもしれません

中間報告として「よかったこと」と「悪かったこと」を書かれています

実際に私も自分の治療に対して悩んだ時に、この方法をとりました
果たして自分が受けた治療は最良のものであったか?患者の悩みは、つねにそうだと思います
「もっと自分にあった治療があったかも知れない」と悩むものだと思います

彼女にとってよかった事。悪かった事は、個人の考え方だと思います
自分自身で迷った時に、自分が考えて書き出してみるといいのかもしれないですね

彼女は、手術後5年目の1992年に胸に「しこり」を感じます
その後1993年までの1年間、自分自身で大きさを測って、大きくなっているのかを
観察したそうです(研究者らしいですね)
そして手術でその「しこり」を切除しますが、その2週間後に手術あとに「しこり」を発見します
2回目の再発です。手術後、放射線35回(1回2Gy=70Gy)の照射を受ける

そして放射線治療終了後の6週間が経ってから、鎖骨のあたりに違和感を感じ4回目のがん。
リンパ節への再発・転移。手術後、抗がん剤治療を受ける(12クール)

抗がん剤治療
CMF療法:進行、再発乳がん61例に対して36.1%(22例)の有効率(50%以上の縮小=有効の割合
エンドキサン(一般名シクロフォスファミド)+メソトレキセート+5-FU(一般名フルオロウラシル)の3剤併用療法。乳がんに対する標準的な化学療法でしたが、最近では、*CAF、*CEF療法に置き換えられることが多くなってきています。
*CAF療法=エンドキサン+アドリアシン(一般名ドキソルビシン)+5-FU
*CEF療法=エンドキサン+ファルモルビシン(一般名エピルビシン)+5-FU

また乳がんはホルモンに由来する「がん」なので、手術で卵巣を取り除く「外科的卵巣摘除」や
卵巣に放射線を照射する「放射線卵巣摘除」治療が行われています
最近では、薬による機能的卵巣摘除が一般的。

この章の最後に「よりよいがん治療を受けるために」というのが書かれています
色々な本に同じ事が書かれていますが、少し書いておきます

一般的なこと
・一般病院ではなく、乳がん専門のグループの治療を受ける
・医師の診察を受ける時は、誰かにつきそってもらい、医師とのやり取りを記録してもらう
・乳房全切除にするか部分切除にするか、重要な選択をしなければらならないときは決定を急がずに先送りすること。自分が冷静でないときには重要な決定をしないこと

診断に関して
・スタッフの指示や指示書の通りに行動する事。
・骨シンチを受けた後ではリン酸コーラを飲むこと。コーラによって放射性物質の排泄が早くなる
(これは知りませんでした。今度やってみようかと思います)

手術
・自分の意識がはっきりしているときに、医師が手術する乳房、あるいはしこりにマークしたか確認する

放射線治療
・照射された部位をゆるやかなシャワーで洗うこと。石鹸を使ってはいけない。
使うなら保存剤・香料の入っているクリームなどは避けて代わりにオリーブオイルを。

化学療法
・行きつけの美容院と相談して、かつらをあつらえ、いつもの髪型に整えてもらう

第1章では、彼女が「がん告知」を受けてから、治療・再発・転移が書かれています

彼女は、がんの切除手術だけではなく、抗がん剤治療・放射線治療・卵巣の機能摘除も受けています

よく言われる補完代替医療で「西洋医療は受けていないかどうか?」というのがありますが
1993年であっても「がんのフルコース」という治療を受けているのは間違いないですね

そして、1章の中ではステージ1期非浸潤卵管がん。とは書かれていますが
病理が書かれていないのが気になりました

現在の日本のがん治療(がん拠点病院で検査を受けた場合)必ず、病理の説明があります
また、転院する場合でもガラスのプレートを持っていくそうです(子宮頚がんはありませんでしたが)

私は、乳がん体験者でもありませんし、医師や医療関係者ではないので、医学的な部分を説明することはできません。とはいっても、1993年(18年前)の彼女の最後の治療から考えても、確実に進んでいると思います

そして、体験談なので彼女自身が困ったことなどは、今の患者さんとも通じる部分があると思います
そういう部分は参考にするのはいいのではないでしょうか  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


  • 2011年02月23日 Posted by すもも at 00:00Comments(0)読んだ本・・・婦人科がん