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Posted by たまりば運営事務局 at

「身も心も」・・・吉野弘



「身も心も」
        吉野弘
身体は
心と一緒なので
心のゆくところについてゆく。

心が 愛する人にゆくとき
身体も 愛する人にゆく。
身も心も。

清い心にはげまされ
身体が 初めての愛のしぐさに
みちびかれたとき
心が すべをもはや知らないのを
身体は驚きをもってみた。

おずおずとした ためらいを脱ぎ
身体が強く強くなるのを
心は仰いだ しもべのように。

強い体が 心をはげまし
愛のしぐさをくりかえすとき
心がおくれ ためらうのを
身体は驚きをもってみた。

心は
身体を一緒なので
身体のゆくところについてゆく。
身体が 愛する人にゆくとき
心も 愛する人にゆく

身も心も?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日のブログに書いた『身体のいいなり』内澤旬子著の紹介の中で、「吉野弘の『身も心も』という詩が好きで、タイトルを考えるとき、この詩が念頭にあった」という。心が先走ったり、心だけ身体に置いていかれたり。不思議なバランスでつながる心と身体に思いをめぐらせる本だ。・・・と紹介されていたのを読んで、読んでみてもいいかなって思った

吉野弘さんは、私は『夕焼け』が好きでした

彼は中学生の時に読んでいた現代詩集の中でも、特に好きな人でした
あの頃は詩なんて読んでたんだなって思った

今では読んだものは、小説でも何でも片っ端から忘れてしまう私ですが、その頃は宮沢賢治に中原中也に萩原朔太郎に与謝野晶子といった人が好きで、覚えるまで何度も何度も繰り返し読んでいました

吉野弘もその中の1人でしたが、私の中では彼はちょっと他の人たちとは違う「今の感覚の人」というイメージがあります

メッセージ色の強くないというか、真っ向から何かと戦っている人って感じじゃなくって
でも、読み終わった後でふと「そうかも」って思うような感覚の詩人でした

また読んでみたくなりました
  
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  • 2012年10月29日 Posted by すもも at 00:00Comments(0)その他